2007年1月3日(水)「しんぶん赤旗」
イラク 米兵死者3000人超す
【ワシントン=山崎伸治】イラクに派兵された米兵の死者が二〇〇三年三月の開戦以来、〇六年十二月三十一日までで三千人を超えました。同月の犠牲者は百十三人で二〇〇六年では最多、イラク開戦以来三番目に犠牲者の多い月となりました。ブッシュ政権はイラク政策の見直しを進めていますが、駐留が長引くほど犠牲者が増え続けることになり、すみやかな撤退を含む抜本的な見直し以外、解決はありません。
イラク戦争での犠牲者を調査し、インターネット上で公表している「イラク連合軍犠牲者総数」によると、十二月三十一日までに米国防総省が確認した二千九百九十一人に、確認待ちの十一人を加え、米兵の死者の数は三千二人となっています。
ブッシュ大統領は同日公表した国民向けの新年メッセージで、死者の数にはふれず、「米兵が身をささげ、犠牲となったことを常に忘れない」と表明しました。
一日付の米主要紙も大きく取り上げました。ワシントン・ポストは「新しい対応に切り替えられなければ、犠牲者はこのペースで増え続けそうだ」との専門家のコメントを紹介。ニューヨーク・タイムズは米兵の死亡率が二〇〇五年以来、ほとんど変わっていないことを指摘しました。
全米最大の反戦・平和組織の連合体「平和と正義のための連合」は死者が三千人を超えた翌日から、全米でイラクからの米軍撤退を求める抗議行動を行うよう呼びかけました。一日までに三百二十四カ所で実施あるいは計画されています。