2006年12月29日(金)「しんぶん赤旗」
塩崎官房長官・渡辺新行革相・根本補佐官・伸晃氏と
石原都知事が税金飲食
石原慎太郎東京都知事が、公務員である都参与らと公費での飲食を繰り返していた問題で、石原知事が二〇〇一年三月十三日に、知事交際費から約十九万円を支出して、渡辺喜美行政改革担当相や石原知事長男の石原伸晃自民党幹事長代理、塩崎恭久官房長官、根本匠首相補佐官の四人と飲食していたことが二十八日、本紙の調べでわかりました。
四人の事務所関係者などによると、石原知事はこの会合で、渡辺氏ら四人に対し、自民党内の若手政策グループ「四騎(よんき)の会」の結成を提案。五日後、提案どおりに、四人はグループ結成を宣言しました。
自民党内の私的な政治グループ結成の場に、都民の税金が使われたことになります。都の交際費の支出基準は「外部との交際上特に認める場合」としており、国会議員との懇談に支出することは、基準違反の疑いがあります。
都の公文書によると、石原知事はこの会合で都費から、ワインや料理に約十九万円も支出しています。
渡辺氏側は「都知事招待の会合で税金が使われたとは思わなかった」としており、根本氏の政策秘書は「会合で、『四騎の会』の結成をもちかけられたのは事実」としています。
“日本酒からワインに移り…”
自民若手集団結成促す
石原知事の公費飲食
都交際費基準に抵触
自民党国会議員らとの会合に東京都民の税金を支出―。石原慎太郎知事が、都政とはまったく関係ない飲食に公費を使っていた実態が明らかになりました。しかも飲食の相手は、渡辺喜美行政改革担当相、知事長男の石原伸晃自民党幹事長代理、塩崎恭久官房長官、根本匠首相補佐官の四氏。いずれも安倍政権の中枢を担う政治家たちです。
交際費の支出にかんする都の公文書によると、石原知事は二〇〇一年三月十三日に、「渡辺喜美様ほか」を相手方に飲食しました。この際、知事交際費から十八万九千九百四十五円が支払われました。内訳は、料理店の「料理等」(約十八万円)と、デパートで購入した「ワイン」(約一万円)です。
石原知事が、この四氏との会合で「四騎の会」結成をうながした経緯は、当時の新聞各紙が報道しました。
「日本酒を飲み干すと、赤ワインに移った。『君たちのような若い政治家が日本の政治を立て直すんだよ』。十三日夜、国会とは目と鼻の先にある料理屋、瓢亭の一室。石原慎太郎知事は上機嫌で自民党の『党内改革』をぶった」(日本経済新聞〇一年三月三十日付)
当事者の四氏も、この会合の様子を雑誌の対談で語っています。「三月十三日、たまたま自民党大会の日だったんですが、その晩に食事を御一緒させていただいたとき(中略)都知事が『君たち“ヨンキの会”をつくれよ』とおっしゃった」(根本首相補佐官、雑誌『諸君!』〇一年六月号)
都の交際費支出基準は、公務員との懇談に交際費を支出することを禁じているほか、支出内容や金額についても「常に都民感覚に合致したものとなるよう、社会経済情勢の変化等に十分配慮する必要がある」としています。
本紙の取材に対して渡辺行革担当相側は、「記憶は定かではないが都知事との会合はあったと思う。都知事招待の会合で税金が使われたとは思わなかった。(アルコールや高額な料理は)常識の範囲で考えるべきだと思う」としています。
根本首相補佐官の政策秘書は「会合で、結成をもちかけられたのは事実。普段は、私的な飲食は割り勘でしているが、石原(伸晃)氏の父親ということもあって、遠慮したのではないか。当時の支払いの事情はこちらではわからない」としています。