2006年12月28日(木)「しんぶん赤旗」

最低賃金引き上げへ

労政審部会答申

通常国会に改正案


 最低賃金制度の見直しを検討している労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)の最低賃金部会は二十七日、すべての労働者に適用される地域別最賃の決定基準に生活保護水準との整合性を考慮することなどを盛り込んだ報告を答申しました。これを受け、最低賃金法の改正案が来年の通常国会に提出される見通しです。

 報告は、地域別最賃を決める基準である「生計費」について、「生活保護との整合性も考慮する必要がある」と明記。特定の業種を対象とする産業別最賃は、使用者側が廃止を求めていましたが、存続することになりました。地域別最賃違反に対する罰金額の上限の大幅な引き上げなど、罰則を強化しました。

 これまでの議論では、「社会保障として行う生活保護と最低賃金は違うものだ」とする使用者側に対し、労働者側が「地域別最賃は生活保護を下回らない水準とすべき」と求めていました。

 産別最賃の廃止については、労働者側が「公正な賃金決定を確保するために必要だ」と批判していました。

 また、報告に新たに「廃止に向けての議論は継続すべき」との使用者側意見があった、と盛り込まれた点について、労働者側は「この意見については労働者側は納得していない」とのべました。

雇用保険料率を1.2%に引き下げ

 労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)の雇用保険部会は二十七日、国庫負担の削減や育児休業給付の引き上げなどを柱とする雇用保険制度改正の報告書をまとめました。

 雇用保険制度では、保険財政の好転を受け、失業給付の国庫負担をほぼ半減させるほか、労使折半の保険料の料率を0・4ポイント引き下げ、1・2%とします。育休の給付率を今後三年間、賃金の40%から50%に引き上げます。一方、雇用安定、能力開発、雇用福祉の三事業では、雇用福祉事業を原則廃止するなどの見直しを行います。


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