2006年12月28日(木)「しんぶん赤旗」
公明、戦争推進ぶり“進化”
改悪教基法・「防衛省」法の「先頭に」
改悪教育基本法、「防衛省」法という、今後の日本の針路にかかわる悪法が強行された臨時国会。公明党は、二つの悪法について「公明党が先頭に」(公明新聞二十六日付)と自慢しています。「平和の党」を標ぼうしている同党が、自民党との連立七年の帰結として、憲法の破壊と海外での戦争を推進する党へとさらに「進化」したことを物語っています。
「改正」を挿入
「(新しい)教育基本法が成立したことは、大変大きな成果である。教育改革が望まれる現在にあって、明確な軸を得たと思う」
公明党の太田昭宏代表は臨時国会閉会の十九日、両院議員総会でこう語りました。公明新聞も「時代に即した理念法に」(同前)と自賛しています。
しかし、改悪基本法は、憲法が保障する内心の自由、教育の自由に反し、戦前のような、教育内容に対する政府の無制限の介入に大きく道を開くもの、日本国憲法に背反しています。公明党はそれを天まで持ち上げ、先導役を自任しているのです。
小坂憲次前文科相が今年の通常国会へ改悪法案を提出すると明言したのは昨年の十二月一日でした。その二日前に公明党の神崎武法前代表が「『国を愛する心』の表現をどうするか最終調整した上で、次期通常国会で決着をつけることも考えたい」と表明したことを受けてのものでした。
公明党は基本法改悪について、自民党と「与党・教育基本法改正に関する協議会(検討会)」を設置。協議会の名称に「改正」の文字を入れたのは公明党の冬柴鉄三前幹事長の提案(〇四年一月)でした。
法案強行についても同様です。衆院教基法特別委員会の公明党の西博義理事は、委員会採決に踏み切った理由として「特別委員会などで一度も混乱せず、政府、民主党の両案を一緒に百六時間も審議を行ってきた」(公明新聞十一月十六日付)などと発言。斉藤鉄夫政調会長は「公明党が与党にいたからこそできた、完成度が高い法案だ」(公明新聞十一月十八日付)と胸を張りました。
“世界に発信”
自衛隊の「専守防衛」任務を転換させ、海外派兵を本来任務に格上げする「防衛省」法の成立でも、公明党は自民党と一体で推進しました。
公明党の東順治副代表は十一月三十日の衆院本会議で「本来任務化は、我が国の国際平和に対する強い取り組みの意思を国際社会により大きくメッセージとして発信すること」「改正を歓迎する」と称賛しました。
同党は、「専守防衛」など防衛政策の基本は変わらないなどと強弁しますが、イラクでの航空自衛隊の活動継続を見ただけでも、法改悪の狙いが海外での米軍の支援活動を拡大させることにあるのは明白です。公明党はいまにいたるも、イラク戦争の誤りを認めず、自衛隊派兵の継続に賛成しています。
改悪教育基本法と「防衛省」法に関しては、「(防衛省昇格で)日本が次第に軍事を優先する国に変わっていくのではないか。そこに(教基法改悪で)愛国心教育が加わると、その流れを加速するのではないか」(「朝日」十六日付社説)などの懸念が広がっています。