2006年12月27日(水)「しんぶん赤旗」
景観・環境保全へ前進
京都・半鐘山宅地開発
住民「勝利」で和解
世界文化遺産・銀閣寺(京都市左京区)のバッファゾーン(緩衝地帯)にある東山三十六峰の一つ通称・半鐘山の宅地開発問題で二十六日、保全を求める周辺住民らと開発業者側が、開発面積の大幅縮小や周辺部の市への寄付など住民側の要求を盛り込んで和解し、景観と住環境の保全に向けて大きく前進しました。
住民と業者側が合意した和解は▽住宅地周辺部の緑地(開発面積の37・21%)を市に寄付する▽市の買収予定地(同8・37%)は買収まで緑地保全の趣旨で管理する▽住民と工事協定を結ぶ▽住民らに与えた被害について謝罪する――など十五項目。当初十三区画の住宅計画は五区画になり、全体面積の41・57%に縮小されます。
半鐘山の開発は、京都市の業者が一九九八年三月、半鐘山そのものを全面的に削り取り住宅地の造成を計画。二〇〇一年三月には市が、「緑の保全」を求める請願が市議会で採択されていたにもかかわらず開発を許可し、業者が同年八月に着工を強行しました。
住民たちは「半鐘山と北白川を守る会」(共同代表=岡村芳郎、尾西利男の両氏)を立ち上げ、保全を求めて取り組むとともに、〇二年四月には市を相手取り開発許可取り消しを求めて京都地裁に提訴。さらに、パリに本部があるユネスコ世界遺産センターへの要請を行うなど、緑と環境の保全を訴えてきました。