2006年12月27日(水)「しんぶん赤旗」

「オール与党」の悪政と対決

12月の地方議会で共産党

暮らしに光あて成果


 来春のいっせい地方選を前に、十二月議会が各地で開かれました。日本共産党は、大型開発優先、くらし・福祉切り捨ての「逆立ち」政治をすすめる自民、民主、公明など「オール与党」の悪政の厚い壁をこじあけ、住民の切実な声にこたえて、数々の実績を上げています。


子どもの医療費

無料化対象を広げる

 いま子育ての支援を考えるとき、子どもたちの医療費助成の拡充がほんとうに大事な課題です。若い世代の働き方がとても不安定になり、収入も減り続けているだけに、「せめて子どもが病気になったとき、お金の心配なしに病院にかかりたい」という声が、日本共産党が各地で行っているくらしのアンケートでも、若い世代から多数寄せられています。

 奈良県では、県が実施している通院の助成対象年齢は二歳まで。入院の医療費助成は昨年から就学前まで拡充されていました。十二月議会では、県が通院の助成についても来年八月から就学前までに拡充することを明らかにしました。県議会で二十年来、乳幼児医療費の無料化を繰り返し求めてきた日本共産党と、保険医協会、新日本婦人の会、幅広い住民の運動と結んでの大きな成果です。

 一方、兵庫県議会では、日本共産党が提案した「こども医療費の助成に関する条例」案(中学校卒業までの医療費無料化)が、自民、公明、民主、社民の「オール与党」の反対で否決されました。これらの党は「共産党のパフォーマンス」「財源がない」という攻撃で父母の願いに背を向けました。

 「オール与党」の妨害に負けることなく、兵庫県では、中学校卒業までの医療費無料化と三十人学級を求める「こども署名」の運動が大きく広がっています。県は議会終了後に、小学校三年生まで医療費助成を拡充する方針を表明しました。

 東京・北区では、妊婦・出産費用の無料化を求める運動も広がり、区独自の妊婦健診助成を一万円から五万円に引き上げました。

 【12月議会で制度が前進した主な自治体】

 中学校卒業までの無料化=東京・渋谷区(新たに通院費も)、東京・利島村、東京・御蔵島村、静岡・裾野市

 小学校卒業まで無料化=東京・板橋区、山梨・韮崎市

 就学前まで無料化=大分・中津市、千葉・四街道市、東京・武蔵村山市(所得制限撤廃)、埼玉・川口市(窓口払い撤廃)

青年の職場

正規雇用促進の力に

 サービス残業と偽装請負の二つの違法、正規雇用の減少。大企業の身勝手な行動で多くの若者が使い捨てにされ、未来に希望をもてない状況を押しつけられていることは、日本社会の大問題です。

 兵庫県議会では、日本共産党が青年の実態を示しながら県に対策を要求し、知事が「正規雇用の促進を条例改正に盛り込む」と答弁しました。

 長野県議会では、日本共産党の質問に、知事が「ここまでひどい状態なのか」と答え、パートなど非正規労働者の労働条件を調査していくと約束しました。

介護保険料・国保税

署名実り 引き下げ

 埼玉・鳩ケ谷市議会では、高すぎて払えない介護保険料の引き下げを求めた日本共産党の主張と、住民の署名運動が実り、六十五歳以上の高齢者が払う介護保険料を引き下げる条例改正を全会一致で可決しました。

 鹿児島・大口市議会では国保税を一世帯当たり平均約八千円引き下げる条例改正案を全会一致で可決しました。日本共産党市議が〇三年の初当選以来毎議会欠かさずとりあげ、保守系議員からも「高くて払えない人が困っている。あなたのいう通りだ」という声もあがる状況のもとでの引き下げ実現です。

 山梨・甲府市議会では、日本共産党が市の福祉のシンボルである六十五歳医療費助成の継続を求め、市長は「制度は堅持する」と表明しました。

 国の指導と自治体の冷たい対応で、各地で悲劇を起こしている生活保護行政の適正化が強く求められています。

 北海道議会では、日本共産党が函館市で自殺者を生んだ行政の実態を示して、道を追及。道福祉局長は「適切な相談業務が行われるよう指導・援助する」と約束しました。栃木・佐野市では日本共産党の質問をきっかけに、市役所の窓口に保護の申請用紙がおかれるようになりました。

障害者施策

知事が支援策を約束

 障害者の施策に「応益負担」を導入し、自立を阻害する悪法が導入されたもとで、自治体として独自の対策を求めて、多くの成果がありました。

 兵庫県議会では、日本共産党の質問に、知事が「来年度の市町予算に間に合うように支援策を打ち出す」と約束しました。

 千葉市議会では、日本共産党が要求してきた障害者への減免制度について、市が「市民税非課税の低所得者の方々にたいする激変緩和策として実施する」と答えました。

不正追及

政調費透明化実現も

 議会の政務調査費の不正流用問題をめぐり、多くの自治体で動きがありました。東京の港区、杉並区、調布市では収支報告書への領収書添付義務付けの条例を決め、台東区も来年から実施することで合意。東京・品川区では政調費から飲食代への支出を禁止することを決めました。これらは、かねてから日本共産党が要求してきたものです。

 談合・汚職の頻発を受け、青森県議会では日本共産党が入札制度の改善を要求。県は「一般競争入札の拡大の方向で検討する」と答えました。

 疑惑をもたれた公共工事の解明にも力をつくし、滋賀・栗東市議会では新幹線新駅周辺区画整理事業をめぐって地方自治法一〇〇条にもとづく特別委員会の設置を決議。和歌山・海南市議会では談合疑惑のある海南漁港工事について市に調査を約束させました。

 徳島県議会では、「解同」(部落解放同盟)と自由同和会に根拠もない補助金が支出されている問題を追及、知事は「廃止の方向で検討している」と表明しました。


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