2006年12月26日(火)「しんぶん赤旗」
石原都知事ら公費で飲食
四男友人の都参与と
ふぐ店12万円など3年間で8回
石原慎太郎東京都知事が、都の文化振興事業「トーキョーワンダーサイト」(TWS)に知事四男・延啓(のぶひろ)氏を深く関与させるなど、「都政私物化」が問題になっていますが、石原知事と知事特別秘書が、延啓氏の友人でTWS施設館長の今村有策都参与との懇談に、公費から飲食費を支出していたことが二十五日までにわかりました。「ふぐ・懐石」の店で十二万円以上かけて「懇談」するなど常識からかけ離れており、都民からの批判はいっそう高まりそうです。
日本共産党東京都議団が情報公開請求で入手した都の開示文書によると、今村都参与との懇談で飲食費に公費が使われたのは二〇〇一年度から〇三年度までの三年間で計八回、合計で三十六万六千二十七円です(表)。
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このうち四回(二十六万九千七百九十一円)を石原知事が交際費から支出し、残り四回(九万六千二百三十六円)を高井英樹特別秘書が交際費から支出しています。名目は「都政懇談会」などとしています。
すし、イタリア料理などを食べながらの「都政懇談会」。こうした懇談は、今村氏が都参与になる直前に二回、以後に六回開かれました。
〇二年十二月、東京・銀座のふぐ・懐石料理店を会場にした「都政懇談会」では、石原知事が交際費から十二万五千七百七十四円を支出しました。都が開示した当時の「接遇等開催伺(うかがい)」によると、出席者は石原知事と今村都参与も含めて五人を予定。料理単価を一人あたり二万五千円としています。
これらの飲食費を、都はすべて、都政についての意見交換や情報収集などを目的とする「接遇」として処理しています。
都の交際費の支出基準では、公務員との「(支出をともなう)懇談は行わないものとする」と明記しています。一方、「接遇等開催伺」は「都政懇談会」としており、支出基準に反する疑いもあります。
都参与は、知事への助言を日常的に行う役目の公務員です。今村都参与は当時、月額三十五万一千円を都から支給されていました。高額な料理で「懇談」して意見交換をする必要はありません。
本紙の取材に、都知事本局秘書課は「今村氏が参与になってからの六回については、参与はあくまで都側の参加者。参与を主目的にした懇談ではない。参与のほかに誰が参加したのかについては、個人名は答えられない」としています。