2006年12月26日(火)「しんぶん赤旗」

沖縄・米軍新基地

完成を前倒し

政府、地元に意向


 政府と沖縄県、名護市などは二十五日、米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)に代わる新基地建設に関する協議会の第二回会合を首相官邸で開きました。この中で政府側は、今年五月に在日米軍再編「最終報告」で合意した二〇一四年よりも早期の新基地完成を目指す意向を示しました。

 久間章生防衛庁長官は「県や地元自治体の協力を得られれば、すぐに工事に着工できる。二〇一四年より前に完成させたい」と述べ、米海兵隊キャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市)へのV字形滑走路を持った新基地の早期建設を主張。さらに防衛庁の守屋武昌事務次官は、三年かかる環境影響評価(アセスメント)について、「建設海域のサンゴの産卵が五月から始まる」として、「来年五月までに開始したい」と述べました。

 仲井真弘多沖縄県知事は、「現状のV字案には反対」との立場を示す一方、「SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)最終報告から十年間(普天間基地は)動かなかった。(同基地の代替施設を)早く完成させることは重要だ」と述べ、「前倒し」には理解を示しました。環境アセスメントの実施時期については、「十分に協議しながらやっていただきたい」と述べるにとどまりました。

 一方、仲井真氏が県知事選の公約に掲げていた「三年以内の普天間基地の閉鎖」については、「閉鎖状態」を求める立場に後退。その具体案として「暫定ヘリポート」や「分散移転」を挙げましたが、「政府が具体的な方策を示してほしい」と述べ、政府に検討を委ねる姿勢を見せました。

 これに対して久間氏は「米側は基地の運用変更に厳しい考えを持っている」としつつ、「目に見える変化が示されれば、米側に運用変更を働きかける用意がある」と発言。「普天間基地の閉鎖状態」を実現したければ、新基地の早期着工に協力するよう県と地元自治体に求めました。

 協議会の第一回会合は八月に開かれました。会合は今後も継続して開催される予定です。


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