2006年12月25日(月)「しんぶん赤旗」
公明党 政務調査費問題
4年前の約束はなんだったか
「透明性」アピールしたのに
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東京都目黒区議会で公明党議員団が政務調査費を不適切使用した問題で、公明新聞(十五日付)が、太田昭宏代表の陳謝と、中央幹事会が「政務調査費の基本的考え方」なるものを決定したことを伝えています。
しかし、公明党には思い出してほしいことがあります。四年前に自ら何を約束していたか――。
「一、政務調査費は、会派および議員の調査活動を行うために支出されているものである。政務調査費支出条例等に基づく支出項目に則(のっと)り、厳正に使用し、いささかも市民に批判されるものであってはならない。
二、支出に当たっては、必ず帳簿を作成し、領収書を添付するなど透明性を高める。なお、余剰金が出た場合は返却する」
全国会議で決定
これは、二〇〇三年一月十八日の公明党第十七回全国県代表協議会で、藤井富雄・全国地方議員団会議議長(当時)が、地方議会における政務調査費のあり方に関し、「公明党は率先して改革に取り組むべきだ」などとのべて提起し、同協議会が決定したものです。目黒区の事態を受けてのものではありません。
当時の公明新聞はこれを一面で伝えるとともに、社説にあたる「主張」で「政務調査費の透明性高めよ」との見出しでとりあげるなど、同党の「清新さ」を大いにアピールしていました。
それなのに、実際には――。
目黒区では、公明党区議団が政調費を大型バスの借り切り代、「会議費」と称する飲み食い代、果ては自家用車の修理代にまで使い、〇五年は、約千二百二十万円の政調費のうち、実に約63%もが不適切使用でした。公明党目黒区議団が注文した四万円分の弁当が、公明党本部に配達されるという不可解な事例も発覚しましたが、その説明はいまだにありません。
条例改正を否決
重大なのは、公明党の有権者だましが目黒区にとどまらないことです。例えば、目黒区の隣の渋谷区議会では、この五年間、日本共産党が毎年、政調費の領収書提出を義務付ける条例改正案を提案してきましたが、公明党は反対しつづけ、否決に追い込む役割を果たしてきました。
東京都議会でも、日本共産党が昨年十月六日、今年三月三十日と二度にわたり提出した同様の条例改正案に、公明党は自民や民主とともに反対し、否決してしまいました。四年前に「決定」を提起した藤井氏は、都議会議員を十一期務めた公明党の「重鎮」。そのおひざ元での裏切りです。
今回、中央幹事会が決定した「考え方」では、この四年前の「決定」についての言及も、なぜ「決定」にもかかわらず実際には正反対のことがおこなわれていたかについての分析も、みじんもありません。
それどころか、「考え方」が「近年、その使途に対する住民の関心が高まってきており」とするなど、政務調査費問題が今回、初めて浮上してきたかのように印象づけているのですから、「有権者だまし」といわれても仕方ありません。
日ごろ、「公約実現」「実績」を最大の売り物にしている公明党の、これが実態です。