2006年12月25日(月)「しんぶん赤旗」
米軍再編費313億円に
政府予算案 新たな負担押し付け
二〇〇七年度政府予算案に計上された在日米軍再編のための経費は合計で約三百十三億円(契約ベース)となりました。
「別枠」166億円
防衛庁は、在日米軍再編経費について、▽「地元の負担軽減に資する措置」(七項目)約百六十六億円(歳出ベースでは約七十二億円)▽それ以外の措置(三項目)約百四十七億円―に分けました。
「地元の負担軽減に資する措置」というものの、その中身は、▽キャンプ・シュワブ沿岸部(沖縄県)に米海兵隊新基地を建設するための調査費約八十二億円▽米空軍嘉手納基地(同)の戦闘機部隊の訓練を本土へ移転するための経費約四億円▽米海兵隊岩国基地(山口県)に米空母艦載機部隊を移駐するための調査費約二十三億円―など、基地の飛躍的強化と恒久化、新たな負担を自治体・住民に押し付けるものばかりです。
この中には、在沖縄米海兵隊のグアム移転の調査費約三億円や、再編計画の進ちょく状況に応じて交付金を出す制度をつくり、関係自治体に協力を強要するための「再編交付金」約五十一億円も含まれています。
これらの措置は、軍事費(防衛関係費)とは「別枠」扱いとなりました。総額で三兆円にのぼるとされる再編経費を確保するとともに、同経費にしばられないでそれ以外の軍事予算を編成できるようにするためで、今後歯止めのない軍拡につながる危険があります。
「地元の負担軽減に資する措置」以外の経費としては、▽米陸軍キャンプ座間(神奈川県)への陸上自衛隊中央即応集団司令部の移設調査費約〇・一億円▽米空軍横田基地(東京都)への航空自衛隊航空総隊司令部の移設経費約百四十三億円▽「ミサイル防衛」用レーダー配置に伴う航空自衛隊車力基地(青森県)の拡張約四億円―が計上されました。
原子力空母配備で
〇七年度予算案とは別に、二十日決定の〇六年度補正予算案には、「地元の負担軽減に資する措置」として、キャンプ・シュワブ沿岸部への新基地建設の調査費など約百十億円を計上。このほか、米原子力空母を米海軍横須賀基地(神奈川県)に配備するための港内しゅんせつ工事費約四十億円(歳出ベース)も盛り込んでいます。
防衛庁は八月末の概算要求で、しゅんせつ工事費を〇七年度予算案に計上するよう求めていました。しかし、港内で岩盤が見つかったため、早期に着手する必要があると判断し、前倒しして実施するものです。
「思いやり」も
在日米軍再編経費のほか、在日米軍のために支出する経費には、「思いやり予算」(在日米軍駐留経費負担)があります。〇七年度予算案では、合計で二千百七十三億円(歳出ベース)です。
また沖縄の米軍基地を県内でたらい回しにするためのSACO(沖縄に関する特別行動委員会)関連経費は、百二十六億円(同)です。