2006年12月22日(金)「しんぶん赤旗」
東京・目黒 公明の政調費不正
領収書偽造疑惑
日曜版スクープ
政務調査費の不適切使用で全員辞職した公明党目黒区議団(六人)が、東京都目黒区に提出した領収書は偽造されていた疑いのあることが、赤旗日曜版編集部の調べで分かりました(二十四日号に掲載)。
金額も番号も筆跡も同じ
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偽造された疑いがあるのは、公明党目黒区議団が政調費の収支報告書に添付した領収書の写しです。東京都板橋区の建設資材販売会社が昨年十月十一日付で発行、金額は六万九千三百円です。
領収書は党支部あて
公明党目黒総支部(支部長・東野秀平公明党都議)が東京都選挙管理委員会に提出した政治資金収支報告書にも、会社名、日付、金額、通し番号が公明党目黒区議団の領収書とまったく同じものがありました。筆跡も同じで、違うのはあて先の「区議団」と「総支部」という文字だけです。
建設資材販売会社の担当部長は取材に対して、「領収書は、通し番号で管理している。この領収書は公明党目黒総支部あてに出した。ポスターを張り出すために使う両面テープ代金だ。公明党目黒区議団には領収書を出していない」と証言しています。
公明党目黒区議団と公明党目黒総支部の会計担当には、ともに川崎恵利子前区議が就任しています。政治資金収支報告書、政調費の収支報告書とも領収書は写しの提出だけでよいとされています。政調費の領収書を点検している目黒区議会事務局の担当者は、「コピーなので偽造があっても分からない」としています。
私文書偽造・横領の可能性
川崎前区議には手紙で取材を申し込みましたが、回答はありませんでした。
日大法科大学院の板倉宏教授(刑法)は、「領収書を改ざんしたのなら、私文書偽造の疑いがある。改ざんした領収書で政調費をだまし取ったとしたならば、横領や詐欺になる可能性もある」と指摘しています。
公明党目黒区議団は、政調費の不適切使用を認めて十一月末に辞職。二〇〇五年分の政調費約七百七十三万円を返還していますが、区民に詳細を説明していないため、「返還の詳細明かさず。公明・都本部。釈明、歯切れ悪く」(東京新聞十一月二十五日付)と報じられました。