2006年12月21日(木)「しんぶん赤旗」
“過労死促進法”に反対
遺族がオフィス街で訴え
東京
「過労死促進法のホワイトカラーエグゼンプションの導入を阻止しましょう」。全国過労死を考える家族の会は二十日、東京のオフィス街、丸の内で、サラリーマンやOLにビラやマイクで訴えました。夫や息子、娘を過労死で亡くした遺族十数人が参加しました。
二十九歳の息子を亡くした秋田県大仙市の女性(69)は「私たち家族の会は、これ以上過労死を増やさないために立ち上がりました。ホワイトカラーエグゼンプションとは何かを知ってもらいたくて、行動しています」と呼びかけ、いくら働いても残業代を払わなくてもすむホワイトカラーエグゼンプションを批判しました。
銀行マンの夫を失った横浜市の女性(55)は「私たち遺族は、過労死をなくすために社会に警鐘を鳴らし、過労死の認定基準の改善や予防を求めてきました。しかし、労働時間の規制をなくすホワイトカラーエグゼンプションが導入されれば、さらに長時間労働に歯止めがかからなくなります」と訴えました。
息子を亡くした埼玉県吉川市の男性(63)は「息子はもう帰ってきませんが、働く者が働きやすい職場をつくっていくのが、私たちの会の役割です。ホワイトカラーエグゼンプションは絶対許されない」とのべ、ビラを配りました。
ビラを読んでいた銀行員は「ホワイトカラーエグゼンプションという言葉は初めて知りました。成果は時間で計れないという面はあるが、今も長時間労働はまん延しており、労働時間の規制をなくすことには反対です」と話していました。