2006年12月21日(木)「しんぶん赤旗」
石原都知事の「いじめ」発言
「子ども傷つけた」
民青同盟都委が撤回要請
「知事の発言は子どもを追い詰めるもので、発言に傷つけられた」―。石原慎太郎東京都知事がいじめ自殺問題について「ファイティングスピリットがなければ、一生どこへ行ってもいじめられる」などと発言した問題で、日本民主青年同盟東京都委員会と同八王子協議会は二十日、発言の撤回を知事と都教育委員会に要請しました。
田中悠都委員長らは「知事発言は、いじめを克服するどころか、いじめを正当化し、解決の道を閉ざすことになる。いじめの背景には、多くの子どもが過度の競争で傷つけられ、ストレスを抱えていることがある」とのべました。いっせい学力テストなどによる過度の競争教育と学校の序列化を中止し、子ども一人ひとりの成長を大切にする教育を求めました。
小学生時代からいじめを受け続け、高校を中退したという女性(17)は、「いじめを受けていた時に知事の発言を聞いていたら、自殺を考えていたと思う。知事の発言は『弱い人間は死ぬしかない』というもので、どれだけの子どもを傷つけたか考えてほしい」と訴えました。
都知事本局の鈴木勝秘書事務担当課長は「体験談を含め要請は知事に伝える」、都教育庁の担当者は「都教委と知事に伝える」と答えました。
要請には日本共産党の清水ひで子都議が同席しました。
石原知事のいじめ発言に対しては、十四日までに百八十件の声が寄せられ、うち八割以上が知事発言を批判しています。