2006年12月20日(水)「しんぶん赤旗」
産廃処分場の建設阻止
福島・郡山 住民全面勝利で和解
福島県郡山市三穂田町の山中に産業廃棄物処分場の建設が計画され、地元住民が建設中止を求める訴訟を起こしていた裁判が十九日、福島地裁郡山支部であり、原告の主張が認められ、全面和解で勝利しました。地元住民六十人が駆けつけ、全面勝利が伝えられると「これでやっと安心して眠れる」「運動をやって良かったな」と大きな拍手と歓声がわき起こりました。
和解では、被告(伸光産業=栃木県)は、建設計画予定の土地に産廃処分場を将来にわたり建設できないとしています。
伸光産業が、同町に、民家から三十メートルしか離れていない山中の沢に沿って、四万八千平方メートル(容積=約二十四万六千八百立方メートル)の規模で産業廃棄物の安定型最終処分場の建設を予定し、住民への説明会を開いたのは二〇〇三年十一月でした。
この地域では、上水道の整備が遅れているため、住民は個人や共同井戸の七つを飲料用として使用しています。ここに産業廃棄物処分場が建設されれば、有害物質が浸透して飲めなくなることや、大雨で産廃物が流出する可能性が高くなるとして、地元住民が今年六月、建設の差し止めを求めた訴訟を起こしていました。
住民らは、「産廃処分場建設に反対し、いのちと環境を守る会」を二年前に立ちあげて、反対の署名行動や、ゴミ問題を考える大講演会を開くなど運動を進めてきました。
原告弁護団の広田次男弁護士は「住民が団結して、自分たちの環境を守る運動をしてきたことが大きな力になった」と話しています。