2006年12月20日(水)「しんぶん赤旗」

ゲーツ氏 新国防長官に

イラク早急訪問の意向

世論は戦争「不満」70%

米国


 【ワシントン=鎌塚由美】ラムズフェルド国防長官の更迭に伴い、元米中央情報局(CIA)長官のロバート・ゲーツ氏が十八日、新国防長官に就任しました。

 同氏の就任日に明らかになった世論調査では、戦争への不満が過去最高になりました。国防総省発表のイラク情勢報告では、占領軍に対する攻撃が22%も急増したことが明らかになりました。

 就任演説を行ったゲーツ氏は、イラク政策が「最優先課題」だと改めて表明。イラク戦争で「失敗」すれば、「わが国を悩ませる災難となり、われわれの信頼を傷付け、将来にわたり米国人を危険にさらすことになる」と述べ、イラク作戦を正当化しました。

 ゲーツ氏は、早急にイラクを訪問すると述べました。新国防長官のイラク訪問日程は、安全上の理由で到着まで明らかにされない見込みです。

 アフガニスタン情勢に関し、「もう一つの差し迫った問題」だと述べたゲーツ氏は、北大西洋条約機構(NATO)軍とともに関与を続けると表明しました。米軍再編の課題については、「引き続き、必要で優先課題である」と語りました。

 米国防総省が同日発表した四半期ごとのイラク情勢報告では、米軍主導の駐留軍への攻撃が急増していることが明らかになっています。八月十二日から十一月十日までの三カ月で、一週間の平均の攻撃回数は九百五十九回に増加。その前の三カ月間の平均七百八十四回を大きく上回りました。

 同報告は、国防総省が米議会に対して行っているもので、報告は「この間の攻撃レベルは史上最高を記録した」と述べました。

 国防長官の交代や、イラク戦争での新政策が模索されている中行われた最新の世論調査では、ブッシュ大統領のイラク戦争への「対応」に対する不満が過去最高の70%を記録しています。

 十八日に発表されたCNNテレビの世論調査では、不満と回答した人が、前回(十月半ば)の64%から6ポイント上昇し、不満のいっそうの高まりを示しました。


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