2006年12月19日(火)「しんぶん赤旗」
困っている人 助けないのか
88歳先頭に座り込み
厚労省前で老地連・都老協
冷たい北風が吹くなか八十八歳を先頭に六十歳を超える高齢者が医療費負担の大幅減額や国民健康保険料・税の減免制度の拡充などを求めて十八日、厚生労働省近くで座り込みをはじめました。全国老後保障地域団体連絡会(老地連・上坪陽代表委員)と東京老後保障推進協会(都老協・城田尚彦会長)が毎年行っているもので、二十一日まで続けます。
厚労省近くの西幸門交差点の一角。座り込みの現場には「限界だ! 負担も がまんも 安心も」と書かれた横断幕がかけられました。
今年は介護保険が改悪され、介護ベッドや車いすの取り上げなどが起こりました。住民税の増税もあり、介護保険料や国民健康保険料と合わせ高齢者には大幅な負担増が押しつけられました。
参加者らは、厚労省に要求書も提出。医療費負担減額や国民健康保険の減免拡充のほか、介護保険の保険料と利用料の減免制度拡充、特養ホームからのホテルコスト負担増による退去をなくすことなどを求めました。
座り込みに参加した老地連の柏木義吉代表委員(79)の妻、文代さん(80)は二年前、自転車で転倒し大腿(たい)骨を折りました。そのため、寝起きが不自由になり、介護ベッドを毎月四百円で利用してきました。
しかし、今年ベッドを取り上げられました。現在は月四千円を全額自己負担して利用しています。柏木さんの年金は月約十二万円です。
柏木さんは「黙っているわけにはいかない。愛国心が問題になっているが、本当に困っている人を助けない国を好きになれると思うのか」と話しました。
座り込みには、日本共産党の小池晃参院議員も駆けつけました。
小池氏は「財政が厳しくなればお年寄りなどに負担を押し付け、ちょっと増えれば大企業にばらまくというのはどう考えてもおかしい。いっしょに頑張っていきましょう」とあいさつしました。