2006年12月16日(土)「しんぶん赤旗」
首相の問責決議案 合意ほご
問われる民主の対応
安倍晋三首相に対する参院での問責決議案の提出の動きをめぐって十五日、安倍内閣と真正面から対決しない民主党の姿勢があらわになりました。同日の衆院本会議で与党が会期延長を決めた以上、参院で安倍首相の問責決議案を提出しても廃案に追い込めないとして、伊吹文明文部科学相だけの問責決議案の提出だけにとどめたのです。
この対応は、十四日の四野党書記局長・幹事長会談の合意をほごにするものです。会談では、参院教育基本法特別委員会での与党による教育基本法改悪法案の強行採決を受け、安倍内閣不信任決議案の提出をはじめ、衆参両院であらゆる手段を講じて、改悪法案の廃案のために全力を尽くすことを確認したのです。
日本共産党はこの合意を踏まえ、十五日に開いた参院野党国対委員長会談で「四野党共同で安倍首相の問責決議案を提出すべきだ」(井上哲士国対委員長)と繰り返し主張。ところが、民主党は提出に背を向けました。このことから日本共産党は、改悪法案の廃案に向けて、社民党とともに安倍首相の問責決議案を共同で提出しました。
「読売」十五日付は改悪法案が強行された十四日の参院特別委員会で自民、民主両党が「『円満採決』のシナリオを水面下で練り上げていた」裏舞台を指摘しています。「不信任案ぐらぐら 民主むなしい国会“終戦”」(「産経」)、「揺れた民主執行部 戦略不在、共闘にしこり」(「毎日」)などの報道もありました。
「採決」を前提にしていた民主党の姿勢は、安倍首相の問責決議案の対応で、公党間の合意反故(ほご)、安倍政権に徹底的に対決しない形となってあらわれました。