2006年12月13日(水)「しんぶん赤旗」
ハンセン病
歴史知ってほしい
熊本・菊池恵楓園に資料館開館
熊本県合志市の国立ハンセン病療養所「菊池恵楓園」内の社会交流会館(歴史資料館)が十二日オープンしました。
ハンセン病の強制隔離の歴史などを知ってもらい後世に残そうと設立されたもの。入所者自治会(工藤昌敏会長)と同園(原田正孝園長)が検討し、旧事務局本館を改装してつくられました。
館内には、入所時に持っていたものを入れた木製の「所持品箱」や、唯一の生活道具入れとなった「たて箱」などの日常品などが展示されています。また、隔離の「厚い壁」の一部や、戦後一時期の炭焼きや塩田作業の写真、国賠訴訟の記録などが展示されています。
入場は無料。開館は午前十時(当面は午後一時)から午後四時まで。土、日、祝日は休館。
工藤昌敏会長の話 「所持品箱」に入所当時にすべてのものを入れさせられた。これを見ると“この中に僕のすべてがあったんだ”と胸がつまる思いがする。「たて箱」も自分で買わないといけなかった。本当に惨めな生活だった。強制労働で働かないとお金がもらえないし、目が見えなくなった人も働かなければいけなかった。気の弱い人ほど体をボロボロにしていった。多くの人に、入所者の話を聞くだけでなく、目で見てもらいたい。隔離の中でどんな生活があったか知ってもらい、未来の問題として考えてもらいたい。