2006年12月13日(水)「しんぶん赤旗」
命令放送制度廃止せよ
衆院委で吉井議員 NHKへの介入批判
衆議院総務委員会で十二日、日本共産党の吉井英勝議員はNHKの命令放送について質問しました。菅義偉総務相が十一月十日にNHKに対して短波ラジオ国際放送で拉致問題を重点的に扱うよう命令した問題です。
吉井議員は、総務省が来年度予算でNHKのテレビ国際放送に対し、初めて交付金三億円を要求したことをあげ、テレビにも命令する可能性があることを指摘。「放送内容に介入する余地のある命令放送制度は廃止するべきではないか」と求めました。これに対し、菅総務相は「命令放送を取りやめる考えはありません」と答弁。橋本元一NHK会長は「放送は自主自律のもとに行うのが基本。これからも貫いていきたい」と述べました。
吉井議員は、十月三十日にラジオ第一で「NHKジャーナル〜北朝鮮へ声送る家族の願い」を放送した際、NHKが「命令を受けての放送か?」という聴取者からの問い合わせを想定したQ&A形式のマニュアルを作っていたことを追及。「言い訳まで準備して放送するようになると、国際的にも権力にものを言えないNHKという姿をさらけ出してしまうことになる」とただしました。命令放送に明確に反対しないNHKについて「権力の介入に対してき然とした態度が取れなければ、信頼を失墜することになる」と強調しました。