2006年12月12日(火)「しんぶん赤旗」
南米共同体会議
多極的で公正な世界を
新統合モデル宣言し閉幕
【コチャバンバ(ボリビア)=松島良尚】南米ボリビアのコチャバンバで開かれていた第二回南米共同体首脳会議は九日、「異なる政治的概念とイデオロギーを認めつつ、多様性と差異のもとで独自性と複数主義をそなえた新しい統合モデル」を掲げる「コチャバンバ宣言」などを採択して閉幕しました。
「宣言」は、南米統合が貧困や社会的排除を克服するために必要であるだけでなく、「多極的で釣り合いのとれた公正な世界、平和の文化に基づく世界を実現する決定的な一歩」だと意義づけています。
そのうえで「宣言」は、「新しい統合モデル」には、経済分野とともに「政治的・社会的・文化的協力」の分野も含むと強調。統合過程での先住民や社会的なたたかいの役割もうたっています。
「宣言」はまた、南米統合の原則として、「連帯と協力」、「紛争を平和的に解決する平和地域の維持」などをあげ、「意欲的かつ柔軟、段階的に」統合を進めていくと述べています。目的の中には、各国の経済力の「非対称性の克服」や「南米の新しい社会契約」「国民の参加」なども盛り込み、社会的分野を重視していく方向を示しました。
さらに「宣言」は、年一回の首脳会議開催などのほか、政府高官委員会の設置を定めました。同委員会はエネルギー統合や社会政策など分野ごとの作業部会を配置し、具体策を外相会議などに提案します。
ボリビアのモラレス大統領は首脳会議後の記者会見で、「南米という一つの国家の創設にむけ、政府高官会議は第一歩になる」と強調しました。