2006年12月10日(日)「しんぶん赤旗」
元客室乗務員の勝訴確定
労災認定 日航、解雇撤回迫られる
東京高裁で勝訴した日本航空の元客室乗務員、岩本章子さん(59)の労働災害認定訴訟で、成田労働基準監督署が期限の七日までに上告せず、岩本さんの勝訴が確定することになりました。日航は「私傷病」だとして、休職期間満了を理由に岩本さんを解雇しましたが、労災認定で解雇撤回が迫られることになります。
岩本さんは一九九六年五月、乗務先の香港のホテルで倒れました。客室責任者のチーフパーサーを務め、乗務時間が九時間を超える長大路線など時差も負荷も大きい路線に乗務していました。
成田労基署は労災と認めませんでしたが、千葉地裁は二〇〇五年、労災と認定。東京高裁でも十一月二十二日認定を勝ち取りました。
両判決とも不規則・長時間乗務など客室乗務員の過重性を認めるとともに、労働時間だけで評価せず、勤務状況など総合的に評価すべきだとしており、他の労災認定にも影響を与えるものです。
日航は、十月から乗務時間の上限を、岩本さんが倒れた当時より六十時間延長しました。乗務員の健康と乗客の安全を守るうえで、就業規則の見直しも焦点になります。