2006年12月10日(日)「しんぶん赤旗」

南米共同体首脳会議

地域統合を具体化

ボリビアで開催 “国民要望に応える”


 【コチャバンバ(ボリビア)=松島良尚】南米ボリビア中央部のコチャバンバで八日、第二回南米共同体首脳会議が二日間の予定で開幕しました。地域統合の具体化をさらに深め、推進することが目的です。


 首脳会議には、スリナム以外の南米全十一カ国が出席しています。メキシコとパナマの代表がオブザーバーとして加わり、エクアドルのコレア次期大統領とニカラグアのオルテガ次期大統領も招待を受け参加しています。

 開幕式では前議長国ブラジルのルラ大統領があいさつし、「地域統合にとっていまが決定的な時期だ」と強調。この間いくつかの国で行われた選挙で国民が平和、発展、繁栄の選択を示したことをあげ、地域統合を推進する絶好の機会であるとともに、国民の要望に応える責任を果たさなければならないときだと述べました。

 続いて新議長国ボリビアのモラレス大統領が、同市で六日から開催されている「諸国民の統合をめざす社会サミット」に触れ、「首脳会議が『社会サミット』と並行して行われるのは初めてだ」と述べ、地域統合を国民とともに進めていく重要性を改めて強調しました。

 モラレス大統領はまた、地域統合は、不公正や貧困、超大国に押しつけられた政策を克服するためだと位置付け、直接の言及は避けながらも新自由主義批判を展開。ボリビアのこの十カ月余りについて「国際金融機関や超大国の指図に耳を貸さなかったからこそ天然ガスの国有化が実現し、それによって財政が黒字に転化した」とふりかえりました。

 南米共同体は二〇〇四年十二月に発足しました。経済統合をすすめるとともに、多国間主義、国際法にもとづく政治的協調や国民レベルの社会的統合なども視野に入れています。

 コチャバンバでは、モラレス大統領が強調したように、首脳会議と並行して米州各国の社会団体による「諸国民の統合をめざす社会サミット」が開かれています。その声が首脳会議に反映される予定です。


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