2006年12月10日(日)「しんぶん赤旗」

侵略戦争の残虐さに衝撃

平和大会分科会 青年ら体験学ぶ


 「二〇〇六年日本平和大会in岩国・広島」三日目の九日は、米軍基地や憲法九条を考える二つのシンポジウム、十の分科会、基地調査や宮島住民との交流の二つの「動く分科会」が開かれました。夜は青年交流集会がおこなわれました。

 青年分科会「歴史認識の共有を通して未来をひらく」には約百人が、山陰中国帰還者連絡会の鹿田正夫(88)、在日朝鮮人被爆者の李実根(リ・シルグン)の両氏の体験、山口県歴史教育者協議会の山根勝氏(61)の近現代史の講義を聞き、討論しました。

 鹿田氏は「加害者としての私の戦争体験」と題し、「過去」を話すように至った苦悩も語りながら、農家の娘を殺害したことなど軍国主義教育のもとでの日本軍の中国侵略の残虐な行為を報告。「『歴史認識の共有』をして、まず政府が植民地政策は誤りだったと謝罪すること、戦争はしない、軍隊は持たないと誓った憲法を守ることだ」と力を込めました。

 「在日朝鮮人被爆者の六十一年」を語った李氏は「朝鮮人は人と見ない」差別の実態を軍事教練で“銃”で突かれた体験を通して告発。暴力や核のない「真に友好で平和な北東アジアの実現を」と結びました。終戦直前に朝鮮で生まれたという山根氏は「母が姉と私を連れて逃避行の末に帰国、姉は栄養失調で死亡した。だから戦争に強い憎しみを持っている」と切り出し、侵略から敗戦に至る歴史を話しました。

 参加者はグループに分かれて討論。「苦しい過去を話してくれたことに感謝したい。真実を知ることが誤った歴史を繰り返さないことの一歩だと思った」「戦争中の教育は洗脳だ。自分から勉強しないといけない」「衝撃だった。涙が止まらなかった。まず歴史を知ることから始めたい」など感想を語っていました。


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