2006年12月10日(日)「しんぶん赤旗」
共産党 全国千カ所で訴え
東京で志位・市田氏
教育基本法改悪案を廃案に
教育基本法改悪法案を政府・与党が十五日の会期末までに参院で採決し、成立させる構えをみせているなかで、日本共産党は九日、全国千カ所以上でいっせいに「徹底審議のすえ、改悪法案は廃案にするしかない」と街頭で訴えました。志位和夫委員長が東京・池袋駅東口前、市田忠義書記局長が東京・有楽町で演説したのをはじめ、国会議員、参院選候補と地方議員・候補者、党機関、支部の人たちが宣伝カー、ハンドマイクなどで訴え。道行く人びとが足をとめて聞き入り、ビラを手にしたり、署名に応じていました。この行動は、十日もとりくまれます。
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志位氏は、田村智子参院東京選挙区候補とともに訴えました。
志位氏は、自民、公明の与党が、会期末までのわずか五日間で法案を強行しようとしていることを批判。教育基本法改定には、新聞の世論調査で六割が反対もしくは慎重審議を求めていること、日本教育学会の歴代会長連名の反対声明に、全国で千八十五人の教育学者が賛同していること、日本弁護士連合会も組織として反対していることなどをあげ、「強行は絶対に許せない」と力を込めました。
そのうえで志位氏は、国会審議で改悪の根拠はことごとく崩れたとし、(1)政府が唯一の根拠としていたタウンミーティングが「やらせ」と「さくら」だった(2)憲法に反する問題点で政府が説明不能となった(3)いじめなど教育の現実問題の解決に逆行する―という三つの角度から詳しく明らかにしました。
とくに、憲法との関係で、「教育への国家的介入を抑制するよりどころである第一〇条は、憲法における第九条のような教育基本法における『命』というべきもの」と強調し、「これを壊して『やらせ』をするような政府・文科省に教育への介入をほしいままにさせるなど絶対に許せない」と訴えました。
志位氏は、憲法一三条(国民の幸福追求権)、一九条(思想・良心の自由)、二三条(学問の自由)、二六条(国民の教育権)をあげ、「これら憲法の諸原則は、教育では自由と自主性をなによりも尊重することを強く求めています」と強調。「憲法の原則にいくえにも反する教育基本法改悪ストップのため、日本共産党は最後まで力を尽くします」と結びました。
市田氏は、谷川智行参院比例代表候補とともにマイクを握り、「日本共産党は、国民のみなさんとしっかりスクラムを組んで、廃案に追い込むため全力をあげる」と決意を述べました。
池袋駅頭で演説を聞いていた高校三年の男子生徒は「自分はどちらかといえば自民党的な考え。でも共産党のいうように“愛国心”は上からの押し付けはいけないと思う」。有楽町で訴えに耳を傾けていた小野寺静江さん(61)=東京・品川区=は「人の心にかかわる大事な法案。与党は『審議は十分した』というが、どこが十分だというのか」と話していました。
この日は、赤嶺政賢、高橋千鶴子の両衆院議員、小林みえこ、井上哲士両参院議員らがそれぞれ地元で宣伝しました。