2006年12月9日(土)「しんぶん赤旗」
揮発油税 明記せず
一般化で閣議決定 “道路整備すすめる”
政府は八日、自民、公明の与党との間で、道路特定財源(今年度の国税分で三兆五千億円)見直しと「一般財源化」について合意し、閣議決定しました。
税収の全額を道路整備に充てるよう義務付けている現在の仕組みを改め、二〇〇八年の通常国会で必要な法改正をおこなうというものです。安倍首相は合意にあたり、「この五十二年間なかなか難しかったが初めて抜本的にメスが入った」と自賛しました。
しかし、財源の八割を占める揮発油(ガソリン)税の一般財源化を明記せず、さらに一般財源として活用するのは、道路歳出を上回るものに限るなど、本来の一般財源化とは程遠いものとなりました。
合意は、道路利権の確保をめざす自民党道路族などの圧力から、「真に必要な道路整備は計画的にすすめる」と明記し、〇七年中に具体的な中期計画を作成するとしています。今後、計画作成の過程で与党がさらに圧力をかければ、実際に道路以外の財源に回る分は限りなく少なくなる可能性があります。
国土交通省は今年六月、〇七年からの十年間で、橋梁(きょうりょう)の修繕や、渋滞対策などで必要な事業費は五十八兆円に上るとの試算を公表しています。この通り実施されれば、〇六年度の道路整備費(五兆九千億円)と同水準が毎年必要となります。