2006年12月9日(土)「しんぶん赤旗」
空自 イラク派兵継続
閣議決定 特措法延長も視野
政府は八日午前の閣議で、イラク特措法に基づく基本計画を変更し、十四日で期限切れになる航空自衛隊のイラク派兵を来年七月末まで延長することを決めました。政府はさらなる派兵も視野に、来年七月末に期限切れになるイラク特措法の延長についても検討に入っています。
来年7月末まで
現在、イラクに部隊を派兵している二十七カ国のうち、撤退や縮小を開始・予定している国も多く、現状維持は日本を含む十数カ国だけです。米国でも六日、超党派でつくられる「イラク研究グループ」が二〇〇八年までの戦闘部隊の撤退を提言し、ブッシュ政権もイラク政策の見直しを迫られています。空自の派兵延長は、米国を含め各国がイラク政策の転換を図る中で、日本政府として何の真剣な検討もなく決定されました。
空自は〇四年三月からクウェートのアリ・アルサレム空軍基地を拠点にC130輸送機三機で、クウェート―イラク間の輸送活動を行っています。イラク特措法では、自衛隊の任務は(1)人道復興支援(2)安全確保支援(米軍を中心とする多国籍軍支援)―となっていますが、七月に陸上自衛隊がイラク南部サマワから撤退した後は、イラク南部のサマワ、タリルから首都バグダッドや北部アルビルまで輸送範囲を拡大。輸送人員の大半は武装米兵とされています。
とりわけ、バグダッドでは米軍のニーズが高く「米軍の定期便」との声も上がっています。
政府は、機関銃や対戦車砲などで武装した米兵の輸送も可能としています。米軍を中心としたイラクでの軍事作戦を引き続き支援するかまえです。