2006年12月8日(金)「しんぶん赤旗」
石原知事 04年スイス出張
パーティーに1700万円
四男へ舞台制作報酬も?
都政の私物化 吉田都議追及
東京都の石原慎太郎知事が二〇〇四年にスイスのダボスに出張した際、知事主催のパーティーに約千七百万円もかけ、ここでの公演の委託契約のなかに四男・延啓(のぶひろ)氏の旅費のほか、報酬も公費で支払われていた疑いが七日の都議会本会議で明らかになりました。日本共産党の吉田信夫都議が代表質問で指摘しました。
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吉田氏は、知事肝いりのトーキョーワンダーサイト(TWS)の館長・副館長に、四男の知人である今村有策夫妻を採用し、そのもとで四男が深くかかわっている都政私物化の問題をとりあげました。
そのなかで、スイス(ダボス)・フランス出張のとき、現地で開いた「東京ナイト」に、出張総費用の半分近くを占める約千七百万円をかけた事実を指摘。都は、その催しの舞台装置の鏡板制作者として参加した延啓氏に、出張旅費を公演委託契約にまぎれ込ませて支払ったほか、鏡板制作の報酬も支払っていた疑いがあると強調しました。
都の開示文書には、今村館長が都の担当者にたいし、鏡板のイメージを示し、制作者への報酬を三十万円にすることや、「延啓さんと早速話します」との記載があります。吉田氏はこの事実を示し、「延啓氏への税金の迂回(うかい)支出ではないか」とただしました。
また、石原知事がダボス会議の一番の収穫は「東京ナイトが盛況だったこと」と語ったことをあげ、「出張の最大の目的が東京ナイト開催であったかのようだ」と指摘。「知事、今村夫妻、延啓氏まで加わり、総がかりで開催し、千七百万円もかける必要があったのか」と追及しました。
石原知事は、TWSの運営について「必要とあらば身内をも使う」とのべ、延啓氏のスイス渡航について、「都が適正な手続きに基づいて契約したもの。私は違法性も問題もないと思っている」と無反省な姿勢を示しました。