2006年12月7日(木)「しんぶん赤旗」
公共工事
ダンピング対策を
穀田議員 国民生活に悪影響
日本共産党の穀田恵二議員は五日の衆院国土交通委員会で、公共工事のダンピング問題について質問しました。
県知事の検挙など大型談合事件の摘発が相次ぐなか、一般競争入札の徹底などがすすむ一方で、低価格入札やダンピング(不当廉売)受注が増加しています。二〇〇四年までに比べ〇五年以降は倍加し、特徴として大規模工事が大幅に増加しています。
穀田氏は、公共工事の手抜き、下請けいじめ、労働条件の悪化など国民の安心・安全の確保に支障をきたすダンピングは、談合と同様、国民生活に重大な悪影響をあたえる悪質な独占禁止法違反行為だと指摘。大手ゼネコン大成建設が、落札価格を下請け業者にしわ寄せする虚偽の価格で報告していた事例についてただしました。
大成建設は、九月に沖縄・那覇港の海底トンネル工事を落札率68・3%の低価格で受注。ところが、下請けが大成建設に提示した価格は、実際より一・三億円も安く抑えていました。国交省はこの差額を大成建設が支払うという「誓約書」を初めて提出させ、十一月に工事の契約を結びました。
穀田氏は「誓約書」でよしとせず、契約を結ばず、排除すべきだと質問。冬柴鉄三国交相は「排除は会計法上、困難だが、不当廉売のおそれがあると公正取引委員会に報告した」と答えました。穀田氏は「談合してきた企業が、処分があけたら、ダンピングに走る。こういう身勝手を厳しく取り締まるべきだ」と強調。そして、中小業者の育成と共同の支援、労働者の賃金・労働条件の適正化をダンピング対策の中心にすえるべきだと強調しました。