2006年12月7日(木)「しんぶん赤旗」

「防衛省」法案

参院で審議入り

自民議員“危険でも派兵を”


 自衛隊の海外派兵を本来任務(主要任務)に位置付け、防衛庁を省に移行させる「防衛省」法案が六日、参院で審議入りしました。

 本会議の質問に立った自民党の愛知治郎議員は、海外派兵の一つである自衛隊による在外邦人輸送について、「朝鮮半島での紛争」時を例に挙げ、「(現状では)輸送の安全が確保されていなければ自衛隊は派遣できない。おかしな話だ」と主張。危険な地域であっても、「在外邦人輸送」を口実に、海外派兵を可能にするよう求めました。

 久間章生防衛庁長官は、愛知氏の要求には否定的な考えを示しながらも、「(海外派兵のための)体制構築のため、新たな輸送機、ヘリコプター搭載護衛艦などの着実な整備を続けていく」とし、装備面での強化をはかる考えを示しました。

 民主党の藤末健三議員は「(政府は)防衛庁を省にした後、国防充実のために何が必要か明確に示していない」と“不満”を表明し、「防衛庁を新しい組織にするのであれば、新しい役割を与えるべきだ」と主張しました。

 また藤末氏は自衛隊のイラク派兵について、「日本政府も率直に誤りを認めるべきだ」と求めました。しかし、同法案によって、本来任務とされる海外派兵に、イラク派兵が含まれていることには触れませんでした。

 同法案は十一月三十日の衆院本会議で、自民、公明、民主、国民新の各党の賛成多数で可決され参院に送付されました。


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