2006年12月7日(木)「しんぶん赤旗」

主張

障害者自立支援法

応益負担の見直しに踏み出せ


 障害者と家族の運動が政治を動かしつつあります。

 この十月に全面施行された障害者自立支援法について六日、衆院厚生労働委員会は、参考人質疑と集中審議を行いました。支援法を強行成立させた与党も、参考人を前に、「見切り発車だった」(自民党)、「問題がある」(公明党)と発言せざるをえませんでした。

 一方で、自民党と公明党は、障害者自立支援法の「理念はいい」として、法そのものの見直しは言及していません。

障害者が世論広げる

 障害のある人々の生活を直撃しているのは、障害者自立支援法による「応益負担」の導入です。

 障害者と家族ら一万五千人が参加した「出直してよ!『障害者自立支援法10・31フォーラム』」(東京)で、障害者団体が求めたのも、応益負担の中止など、支援法の抜本的な見直しです。こうした障害者・家族のとりくみは、負担軽減策を打ち出さざるをえなくなった与党と、政府の姿勢に影響を与えています。

 参院決算委員会(四日)で、日本共産党の紙智子議員は、利用者負担が無料から四万八千円に増えたため知的障害児が施設から退所を余儀なくされている実例を示し、解決策を求めました。柳沢厚生労働相は、「(負担に)耐えられないから施設をやめてしまうということが生じないような方向での改善策を探っていきたい」と答えました。

 政府も、障害者と家族が告発してきた深刻な事態を無視できなくなっていることを示しています。

 応益負担の撤回を迫る紙議員の質問に、安倍首相は、「所得に応じた利用料の上限が設けられている。ご理解いただきたい」とのべました。しかし、与党が提案している負担軽減策では、利用者負担の上限の引き下げが盛り込まれています。

 負担上限額の見直しは、「上限があるから」という説明で応益負担を正当化してきた与党の論理の破たんを示しています。

 衆院厚生労働委員会の集中審議で、日本共産党の高橋千鶴子議員の質問に、政府は、与党の負担上限引き下げによる軽減総額が百二十億円(一年)にのぼることを明らかにしました。自立支援法施行にもとづく利用者の負担増の財政影響額三百九十億円にたいし、約三分の一です。

 応益負担の導入は、社会保障費の削減策としてうちだされたものです。施設への報酬単価も引き下げられ、経営を困難にしています。障害者の働く場である共同作業所などでは、報酬単価の引き下げに加え、支払い方法が月単位から日割り計算になったため、多くの施設が大幅な減収になっています。障害児が施設を休むさいに、収入減を心配する親が、「せんせ、ごめんなさい」というほどに切ない思いをさせています。障害のある人々の実情を無視した日割り支払いは改める必要があります。

国政の場で解決を

 参考人質疑で、障害者団体の代表は、障害が重くなるほど負担が増える実情を告発し、「国政の場で解決にあたってほしい」と訴えました。

 障害者自立支援法のツケを自治体任せにするようなことがあってはなりません。

 障害者が地域で安心して暮らせる社会にするというなら、障害者の社会参加を妨げている応益負担を撤回すべきです。

 障害者の声に応え、障害者自立支援法の抜本的な見直しに踏み出すべきです。


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