2006年12月6日(水)「しんぶん赤旗」

米国連大使

ボルトン氏が辞任

国防長官に続き強硬派去る


 【ワシントン=山崎伸治】ボルトン米国連大使が四日、辞任を表明し、ブッシュ大統領が了承しました。米国を国連と国際社会の上に置いて独善的に振る舞う単独行動主義の代表的人物だった同大使の辞任は、ブッシュ政治の横暴な覇権主義の行き詰まりを示しています。

 ラムズフェルド国防長官に続き、イラク戦争を積極的に推進した高官の辞任となります。

 ブッシュ氏は同日午後、ホワイトハウスで同氏と会談後、記者会見し発表しました。

 ボルトン氏は第一期ブッシュ政権で軍備管理・国際安全保障問題担当の国務次官を務め、二〇〇三年三月のイラク戦争開始をめぐっては、新たな国連決議なしの武力行使を主張しました。

 ボルトン氏はかねてからの国連無用論者でした。民間機関の研究員だった時期に、「国連など存在しない」「国連は米国の国益にかなう場合に米国の指導で存在するだけ」などと公言していました。

 このため、〇五年三月に就任五カ月で突然辞任表明したダンフォース大使の後任として指名された際に強い反対論がおこり、共和党内からも反対の声が噴出。上院での指名承認のめどがたたないまま、同年八月、議会の休会中に空席人事を穴埋めすることを想定して設けられた緊急措置を使って任命され、現議会の会期終了の〇七年一月までが任期となっていました。

 ブッシュ政権は今年九月にも指名承認を要請。十一月の中間選挙で新議会が民主党多数派となったため、正式任命は絶望的となり、今回の辞任表明となりました。

 ブッシュ大統領は会見で、「(指名は)承認されてしかるべきだった。国のためにすばらしい仕事をしたからだ」と述べました。


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