2006年12月6日(水)「しんぶん赤旗」
「長時間労働酷書」
労働弁護団相談まとめ
未払い残業月300時間
2〜3割病欠の職場
「午前八時から深夜まで勤務。休日は半年に一回。(未払い)残業は月三百時間」(銀行、男性、34歳)、「午前八時半に出勤し午後十一―十二時まで働く。職場は常時二―三割が病欠している」(大手電機メーカー、男性、35歳)。こんな職場実態が『長時間労働酷書』として五日、日本労働弁護団から発行されました。この間よせられた相談例をまとめたもの。
政府は来年の国会で労働時間規制の適用除外制度(ホワイトカラー・エグゼンプション)を導入しようとしています。同弁護団は「さらなる長時間労働にかりたて過労死・過労自殺が増える危険性は大きい」と警告、導入阻止を訴えています。
相談例では「毎日終電で帰り食事休憩もなく土日も出勤。勤務中倒れた同僚は翌日から出勤した」(デザイン会社、女性)、「午前七時から午後十一時までの勤務。残業代は一時間だけ。離婚率は90%」(スーパー、男性、27歳)など、あらゆる職種・業種で性別・年齢を問わず、すさまじい長時間労働が強いられているさまを示しました。
多くが「業務量が多すぎて帰れない」と語り、「夜十一時までの労働が続き、うつ病と診断され療養中。『退職届を出すよう』いわれ困っている」(広告代理店、男性、40歳)など、働かせるだけ働かせて使い捨てる企業の姿勢も浮き彫りとなっています。
これらは違法な不払い残業がほとんどです。「年俸制」「管理職」を理由にしたケースや、「工場長が月十五時間に書き直す」「最高四十時間に制限され『残業代が一定程度超えれば無能とみなす』と脅されている」など、企業による悪質なケースも横行しています。
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