2006年12月6日(水)「しんぶん赤旗」
オール与党と共産党の対決
志位委員長訴え
“よく分かった”と反響
茨城県議選 10日投票
十日投票を前に大激戦の茨城県議選。党四氏を応援した日本共産党の志位和夫委員長の演説(三日)は選挙の争点を浮き彫りにしました。買い物帰りに自転車を止めた水戸市役所の女性職員は「聞いた話は知らないことばっかりでした。県議会がオール与党というのも知りませんでした。女性候補(共産党)に入れます」。話を聞いた支持者も「よくわかった」と激戦に競り勝つ力にしています。志位氏が「オール与党と日本共産党との対決」と訴えた選挙の争点の三つの柱を紹介すると―。
庶民に増税、大企業は減税
「推進3人組」自民・公明・民主
県民注視の第一の争点は税金の問題です。
六月に通知された住民税増税で全国の市役所に苦情が殺到しました。国で決めた定率減税縮減による増税通知です。
パネルを示して説明した志位委員長。年金月額二十万円のケースで、住民税と社会保険料負担の合計は、二〇〇四年度の年間六万四千円から〇八年度には二十六万八千円になります。年金一カ月分の大幅な負担増です。
県議会にこうした負担増を認める増税条例が提案されたとき、反対したのは日本共産党だけでした。
定率減税縮小・廃止の“言いだしっぺ”は公明党です。県政では自民、公明だけでなく民主も加わった「オール与党」で増税条例が賛成多数で可決されました。
庶民には増税なのに大企業には減税ということも大きな問題です。
年間三兆円も大もうけしながら大銀行は優遇税制によって法人税を一円も払っていません。
「県政でも大企業への減税をやっている」と志位氏。
調べると県には県内に進出した企業に法人事業税や不動産取得税を免税する制度をつくり、免税額はこの三年間で四十一億円にもなりました。これを提案し、賛成したのが自民、公明、民主です。志位氏は「『庶民増税・大企業減税三人組』に審判を」と訴えました。
暮らしを守るには「庶民には大増税、大企業には減税」の逆立ちを正さなければなりません。この逆立ちの是正と、県独自の負担軽減策として介護保険料、国保料、上下水道料の引き下げを主張しているのは日本共産党だけです。
港建設 ケーソンさらに400億円
県政をおおうムダ遣い
二つ目の争点は県政をおおうムダ遣いです。暮らしに回るはずの予算を食いちぎっているのが、県と国などが三千四百億円も投じた常陸那珂港です。
ムダ遣いの象徴として志位氏は、港の防波堤となるケーソンを取り上げました。ケーソンは高さ二十二メートルで六階建てビルに相当するコンクリートの構造物です。太平洋の荒波のなかの港づくりで必要になったもの。価格が半端でありません。
「このケーソンをつくるのに四億円、設置に六億円、一個十億円です」「すでに百六十個投げ込んで四・八キロの防波堤をつくりました。港の拡大でさらに一・二キロの防波堤をつくろうとしています。ケーソン四十個、つまり四百億円を太平洋のなかに投げ捨てるというのです」(志位委員長)
聴衆から驚きの声があがりました。
北ふ頭で貨物を扱う常陸那珂港。入ってくるのは一日平均二隻のため、取り扱い貨物量は目標の35%です。それなのに今後三千億円もかけて中央ふ頭をつくる計画です。
「ここでやめることは県民への裏切り」(一九九九年、自民・武藤均県議)と同港建設をすすめる自民、民主、公明のオール与党。志位氏は「ムダ遣いも『三人組』」とのべました。
子育て世代が願う乳幼児医療費の無料化(就学前)はあと十二億七千万円で可能です。ケーソン二個分でできます。
「県政にないのはお金じゃない。福祉の心がないんです。福祉の心を持つ日本共産党の候補者に、この仕事、しっかりやってもらいましょう」。志位氏の呼びかけは拍手につつまれました。
議会「三冠王」の共産党
発言通告で談合企業“降参”
第三の争点は、議員を選ぶ選挙ですから議会活動の中身が問われます。
茨城県議会について「東京新聞」(九月二十九日付)が「ウォッチ県議会」と特集しました。評価のハードルは委員会の発言回数、請願の紹介、議員提案。どんな働きをしているのか調べると、トップはいずれも日本共産党でした。
発言回数の記事には「トップは40回 共産・大内氏」の見出しが付けられました。二位も共産党の山中県議でした。
請願の紹介件数は、議員一人あたり共産党が三十二件で一位。県民の要求を実現するための議員提案の本数も、日本共産党がトップで議員一人あたり二十二本です。
志位氏は「党茨城県議団は県民の声を議会に反映させる『三冠王』です」とのべました。
中身も抜群です。
たとえば全国で問題になっている談合企業の追及です。九月県議会で、福島県の談合事件にかかわった東急建設と、自民県議などのファミリー企業がJV(共同企業体)を組んで受注した、橋梁(きょうりょう)工事請負契約の議案が提出されました。与党だけの土木委員会は全会一致で可決。そこで日本共産党の大内県議は本会議の反対討論を通告しました。通告しただけで県は急きょ議案を撤回しました。
「『オール与党』議会は議会じゃなくなります。県民の立場に立ってムダ遣いをチェックし、福祉、暮らしを守るかけがえのない役割を果たしているのは日本共産党の議席です」。志位氏はこう強調しました。
4氏の事務所激励先
▽大内くみ子(水戸市選挙区)電話029(224)1208、ファクス029(224)1678
▽山中たい子(つくば市選挙区)電話029(859)8022、ファクス029(859)8074
▽野口りえ子(取手市選挙区)電話0297(70)5052、ファクス0297(70)5051
▽根本 陽一(日立市選挙区)電話0294(22)6630、ファクス0294(21)0524