2006年12月6日(水)「しんぶん赤旗」

石原知事四男

スイスに公費出張

共産党都議団指摘 正規手続き経ず


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(写真)記者会見する日本共産党都議団=5日、都庁

 東京都は石原慎太郎知事の四男・延啓(のぶひろ)氏に、旅費などを委託契約のなかに盛り込ませる形で税金を支出していた疑いが五日、明らかになりました。日本共産党東京都議団が同日、都庁で記者会見し、情報開示請求で入手した文書から、この問題を指摘しました。

 同文書は二〇〇三年十一月に荒川満氏(都生活文化局文化振興部長・ワンダーサイトコミッティ委員長=当時)から、今村有策氏(都参与、ワンダーサイト館長)にあてたメールです。

 〇四年一月に石原知事がスイスのダボスへ海外出張した際、都知事主催のレセプション「東京ナイト」が開かれました。同メールは、レセプション出演者への公演委託契約について、「(演奏者との)契約の中に鏡板(舞台背景)制作費を盛り込まさせていただきます。この鏡板は、○○さん(演奏者)から延啓さんに制作発注してもらいます。延啓さんの旅費も含めて」と記述しています。

 これについて都側は、演奏者が社長を務める会社と「会場装飾委託契約」(約三百三十万円)を結んだと説明。マスメディアにたいし、延啓氏が公費で海外出張などをした事実を認めていますが、「都は演奏者と契約している。演奏者がどんな人材を使おうが、意見を言う立場にない」としています。

 そのほかメールには、石原知事の側近である高井英樹特別秘書とみられる名前も記されており、同氏が関与した疑いもあります。

 日本共産党都議団の吉田信夫幹事長は「公職にある知事として自らの息子を都の事業にかかわらせることは厳に慎むべきで、今回のように条例による手続きも踏まずに、税金が迂回(うかい)支出された疑惑は極めて重大だ。共産党都議団は石原知事の都政私物化をただすため、引き続き全力を尽くす」とのべました。


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