2006年12月5日(火)「しんぶん赤旗」

奈良市の同和検討委員会

委員長に「解同」関係者


 奈良市の「解同」(部落解放同盟)の幹部だった元市職員(懲戒免職)の長期「病休」問題などを契機に同市が立ち上げた「市の同和行政を真に人権行政にするための検討委員会」の委員長が「解同」と密接な関係にあることが、四日までにわかりました。

 同委員会は大学教授や弁護士、市担当部長ら十人で構成し、十一月三十日の初会合で委員長に野口道彦・大阪市立大学大学院教授を選びました。

 野口氏は、社団法人部落解放・人権研究所(大阪市浪速区)の理事です。同研究所のあるのは「解同」中央本部、同大阪府連と同じ大阪人権センターの二階です。

 同研究所は「解同」大阪府連などの援助・協力を得て一九六八年に「大阪部落解放研究所」として設立され、顧問に「解同」中央執行委員長、同府連委員長が名を連ねています。今年度の事業計画は「差別撤廃」のために「解同」などの団体との「連帯を強化」すると表明しています。(同研究所ホームページ)

 検討委員会は「解同」との協議体制や内容、同和優遇施策について「抜本的な見直しを進め」るのが目的です。しかし「解同」と関係深い人物を委員長にして、公正な審議や抜本的な施策の見直しができるのか、市民の批判はまぬがれません。

 市担当課は、同検討委員会は非公開で、議事録は公表せず、来年一月末をめどに中間報告をまとめるとしています。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp