2006年12月5日(火)「しんぶん赤旗」
教育基本法改悪
“教師の大学”も反対
学芸大217教職員が声明
東京学芸大学の教職員有志二百十七氏は、「教育の国家統制を強化する教育基本法改正案の廃案を求める声明」を、このほど発表しました。
教育に深くかかわる教職員として、(1)現行法を変更する理由が説明されていない(2)教育内容を統制するしくみが盛りこまれるなどの大きな問題点がある(3)徹底的な審議が行われていない(4)教育における問題は、教育行政が現行法の精神を軽んじていることから起きている、などの理由から廃案を求めています。
詩人が共同声明
詩人五十二氏が呼びかけ、二百四十二人が賛同を表明した「教育基本法改悪に反対する詩人の共同アピール」も、このほど発表されました。アピールは「『改正』によって教育現場に持ち込まれるのは競争の激化、格差の拡大、荒廃の蔓延(まんえん)」であり、「私たち詩人は見過ごすわけにはいきません」とのべ「改正」案の廃案を強く求めています。
各団体が意見書・要請
自由法曹団
自由法曹団(松井繁明団長)は四日、「教育基本法『改正』立法事実の再検証を求める」意見書を各党などへ送付しました。
意見書は「やらせ」タウンミーティングについて資料を示して実態を説明し、教育基本法「改正」法案について、世論調査の結果からも国会での慎重審議を求めていること、全国の弁護士会でも慎重審議を求めていると指摘。「真相の全面的解明の前に参議院の採決があってはならない」と述べ、「やらせ」タウンミーティングの問題は民主主義の問題であることを指摘し、国会における全容の解明を求めています。
青年法律家協会
青年法律家協会弁護士学者合同部会(井上聡議長)は四日、教育基本法改悪案の廃案を求める意見書を、首相や文部科学大臣らに送付しました。
意見書は、改悪案を「現行法の定める国民の教育権や教育の自主性・自立性を失わせ」るものだと指摘。「重大な問題点」として、「これまで教育環境の整備に限定されていた教育行政」が「教育内容に自由に介入できる」ようになることや、国家による「愛国心などの教育徳目を押しつけ」が可能になることをあげています。
この間の「『いじめ自殺』や『タウンミーティングやらせ問題』を通じて、改正の必要性はもちろん、提案者の資格自体が疑問視されている」として、「すみやかに廃案」するよう求めています。
保団連
全国保険医団体連合会(保団連・住江憲勇会長)は四日、参議院教育基本法に関する特別委員会委員に教育基本法「改正」法案に反対し、徹底的な審議をするよう要請しました。
保団連は「『いじめ』自殺、未履修、タウンミーティングの『やらせ』質問という政府・文部科学省の責任に関する問題についての審議をなおざりにしたままでの法案強行は許されない」と述べ、「子どもたちの未来にかかわる問題を与党による単独採決で決めれば将来に禍根を残すという国民多数の世論がある」と指摘し、「教育基本法改悪法案の成立を急ぐことなく、徹底した審議を強く要請します」と述べています。