2006年12月5日(火)「しんぶん赤旗」
チャベス大統領圧勝
ベネズエラ 失業・貧困改善で前進
中南米変革の波さらに
【カラカス=菅原啓】南米ベネズエラの大統領選挙は三日投開票され、現職のチャベス大統領(52)が大差で三選を果たしました。ラテンアメリカでは、十月末からブラジル、ニカラグア、エクアドルで、米国の横暴に抗し、自主的な経済政策、社会開発をめざす政治勢力が大統領選挙で連続的に勝利しています。チャベス氏の勝利はこうした流れをさらに鮮明に印象付けるものとなりました。
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中央選管にあたる全国選挙評議会(CNE)の発表(開票率78%)によると、チャベス候補は61%を獲得。親米的な野党勢力が共同で推薦したロサレス候補は38%にとどまり、敗北を認める会見を行いました。
チャベス大統領は、大統領府のバルコニーに姿を現し、自身の大統領選の得票としては最高を記録した今回の結果を「国民の勝利だ」とのべ、選挙に参加した国民全体に感謝すると表明しました。「十二月三日は出発点であり、新しい時代の始まり」と指摘し、これまで進めてきた、南米の連帯と解放めざすボリバル革命をさらに進化、拡大していく立場を改めて強調しました。
同政権は失業や貧困対策で成果をあげてきました。降りしきる雨の中、大統領府前に集まった数万人の市民は、国旗やプラカードを掲げながら、「チャベスはやめない」と繰り返し唱和し、大統領はこぶしを振り上げてこれに応えました。
投票は午前六時から始まり、全国三千カ所余りの投票所では、開場の数時間前から有権者が列を作り、数時間かけて投票権を行使しました。
首都カラカス市内のエルバジェ地区で投票を終えたダニエル・フェルナンデスさん(73)は、「見てくれ。これがベネズエラの民主主義だ。チャベスを攻撃する米国に対抗するには、われわれが米国よりも民主的な選挙をやっていることを見せなければならない」と笑顔で語っていました。