2006年12月4日(月)「しんぶん赤旗」
フォルクスワーゲン
2万5000人抗議デモ
ベルギー工場人員削減計画に
【パリ=浅田信幸】ドイツの自動車メーカー・フォルクスワーゲンがベルギーのフォレスト工場(従業員五千三百人)の大幅な人員削減をもくろんでいることに抗議し、労働者に連帯するデモが二日、ブリュッセルで行われ、主催者発表で二万五千人(警察発表一万五千人)が参加しました。
現地からの報道によると、デモは「雇用のための連帯」の横断幕を持った同工場の労働者が先頭に立ち、ブリュッセルの南駅から北駅まで二時間かけて行進しました。ベルギーの三つの労働組合全国組織傘下の労働者だけでなく、ドイツの金属産業労組IGメタルやフランス、スペインなどの労組代表もデモに加わりました。
フォルクスワーゲン社は先月二十一日、ブリュッセル西郊にある同工場の主力である中型車ゴルフの生産を全面的にドイツ国内の工場に移し、四千人近い労働者を解雇する方針を発表しました。同工場の労働者などからの抗議の声が高まる中、フェルホフスタット首相が仲介に乗り出しました。フォルクスワーゲン社は一日、新型車アウディA1の生産を同工場で開始し、三千人の雇用を確保する意向を明らかにしています。しかし労組は「一部の労働者を安心させるだけだ」として、たたかいの継続を訴えています。
フォルクスワーゲン社の生産移転はドイツ国内の雇用を確保する意図があり、IGメタルがこれに応じた経緯がありますが、同労組が今回のデモに代表を送ったことがベルギー労組から歓迎されました。キリスト教労連(CSC)のコルテベック議長は「数千人の解雇はスキャンダルだが、これに対する唯一の回答は(労働者の)国際連帯だ」と強調しました。