2006年12月4日(月)「しんぶん赤旗」
おばあちゃん11人無罪
若者の代わりに軍志願
米東部 “新兵募集業務妨害”と逮捕
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おばあちゃん、またも勝利―米東部ペンシルベニア州のフィラデルフィア地裁は一日、新兵募集事務所で行った抗議行動で逮捕された「おばあちゃんの平和旅団」の活動家十一人に対し、無罪の判決を下しました。
九十一歳のリリアン・ウィロビーさんら十一人の「おばあちゃん」は六月二十八日、フィラデルフィア市内の新兵募集事務所に詰めかけ、「私たちの余生は限られている。もう十分に生きてきた。若者はイラクに行こうとしている。彼らの代わりになりたい」と軍に「志願」しました。
警察は募集事務所の活動を妨害しているとして立ち退きを命じましたが、頑として動かないおばあちゃんたちをついに逮捕。その日のうちに釈放されたものの、有罪となれば最高で九十日の禁固、五百ドルの罰金となる「不法侵入罪」となるところでした。
弁護人のポール・メシング弁護士は「憲法で保障された言論の自由を行使したものだ」と主張。これに対し、同地裁のデボラ・グリフィン裁判長は、おばあちゃんたちが詰めかけたのはだれでも入れる「公共の場所」であり、「不法侵入罪」にはあたらないと訴えを退けました。「おばあちゃんの平和旅団」は四月にもニューヨークで同様の裁判をたたかい、無罪を勝ち取っています。
抗議行動には夫の押す車いすで参加するウィロビーさんですが、地元紙のインタビューに「フィラデルフィアで抗議行動するにはもう年を取りすぎているが、それをやめるほど年を取ってもいない」と元気な様子です。(ワシントン=山崎伸治 写真も)