2006年12月4日(月)「しんぶん赤旗」

庶民増税 ムダ遣い 暮らし切り捨て

オール与党と共産党の対決

茨城県議選 志位委員長、4氏応援


 十日投票の茨城県議選で唯一の日曜日となる三日、日本共産党の志位和夫委員長は取手、つくば、水戸、日立の各市を回り、「激戦を勝ち抜くため、お力をかしてください」と、終日、支持を訴えました。同選挙では、この日、公明党の太田昭宏代表が、二日に自民党の麻生太郎外相が現地入りし、六日には民主党の鳩山由紀夫幹事長が入る予定になっているなど、各党総力戦の構えを見せています。


 各市では、志位委員長とともに野口りえ子氏(取手市)、山中たい子氏(つくば市)、大内くみ子氏(水戸市)、根本陽一氏(日立市)が訴えました。

 志位氏は、オール与党か日本共産党かが選挙の争点だとして、(1)「庶民に増税、大企業に減税」という「逆立ち」の税制を進めるのか、正していくのか(2)オール与党の県政でムダ遣いを推進させるのか、福祉、暮らし優先か(3)なれ合いではなく、県民の立場で知事の「監視役」を果たすのか―と三つを挙げ、「庶民増税三人組」「ムダ遣い三人組」と「オール与党」の実態を批判しました。

 その上で、委員会での発言回数、請願の紹介件数、議員提案本数が議会でいずれも一番多い「三冠王」であると日本共産党の議席の重要性を強調。「『逆立ち』税制をただし、ムダ遣いをなくして福祉や暮らしにまわすよう県議会で求め、知事の『監視役』を果たしている日本共産党を必ず勝ち抜かせてほしい」と話しました。

 各市で多くの人たちが聞き入り、志位氏が住民税を大増税する一方で、企業に減税することを批判すると、大きな拍手が起こりました。

 つくば市で足を止めて演説を聞いた保育士の男性(27)は「ムダ遣いの問題は共感できます。ムダを削って、医療や福祉に役立てるという当たり前のことができていないのが問題だと思う。議会もまだ不透明なので、住民の立場で明らかにしようという姿勢は重要です。日本共産党に頑張ってほしい。家に届いたビラを読んで考えます」と話しました。


茨城県議選での志位委員長訴え

 日本共産党の志位和夫委員長は三日におこなった茨城県議選の応援演説でまず、県議選は「『オール与党』を選ぶのか、日本共産党を選ぶのかにある」とずばり指摘し、三つの大争点について自民、公明、民主の「オール与党」と日本共産党の違いを浮き彫りにしました。

「逆立ち」税制ただす審判を

 第一は、「庶民に増税、大企業に減税」の「逆立ち税制」の問題です。住民税増税や介護保険料値上げなどへの怒りが殺到するなか、茨城県では、「オール与党」が県民税の定率減税全廃を決定、反対は日本共産党だけでした。一方、政府が空前の利益をあげている大企業へのさらなる減税を計画するなか、県議会も、「オール与党」で進出企業への法人事業税、不動産取得税などの免除制度の延長を決めました。

 志位氏が、「日本共産党の躍進で自民、公明、民主の『庶民増税三人組』『大企業減税三人組』に厳しい審判を下し、『逆立ち』税制をただそうではありませんか」と訴えると、聴衆は大きな歓声と拍手で応えました。

無駄づかいと福祉削減批判

 争点の第二は、「オール与党」による無駄づかいの問題。三千四百億円を投入してつくった常陸那珂港の北ふ頭への定期便は週三便だけなのに、さらに中央ふ頭建設に三千億円をつぎ込もうとしています。志位氏は、ダム建設や、住宅供給公社、土地開発公社の破たんの穴埋めに莫大(ばくだい)な税金を注ぎながら、福祉を切り捨てる「オール与党」政治を厳しく批判。「福祉が後退するのはお金がないからではなく心がないから。福祉の心をもつ日本共産党をどうか躍進させていただきたい」と呼びかけました。

日本共産党は議会「三冠王」

 第三の争点として議会と議員のあり方に言及した志位氏は、「東京」九月二十九日付の「県議六十三人、四年間の『通信簿』」という特集記事で、日本共産党が委員会発言回数、請願紹介件数、議員提案本数のすべてでトップになり「三冠王」となったとのべました。

 また、一般紙も現県政の十三年間で知事提案の議案が修正・否決された例が一度もないと指摘するような「オール与党」の密室政治がつづくなか、この九月議会では、談合企業と自民党県議のファミリー企業との契約の議案を与党だけの土木委員会が可決したが、日本共産党の大内くみ子議員が本会議で反対討論を通告しただけで大あわてで議案が撤回される「歴史的快挙」が実現したことを紹介しました。

 志位氏の「『オール与党』政治と対決し、無駄づかいをただし、福祉とくらしをまもり、議会をチェックするかけがえのない役割を果たしているのが日本共産党。この党の躍進で日本を変える第一歩にしていこうではありませんか」とのよびかけに、聴衆の大きな拍手がわきおこりました。


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