2006年12月3日(日)「しんぶん赤旗」

著作権法改定案を可決

衆院委で石井議員

共産党は反対


 衆院文部科学委員会は一日、著作権法改定案を自民、民主、公明各党の賛成多数で可決しました。改定案は、今年改定された特許法や意匠法など知的財産権にそろえ、著作権侵害の罰則を十年の懲役に引き上げるほか、地上波デジタル放送を補完するIPマルチキャスト放送が同時再送信をおこなう場合、実演家らの許諾を報酬請求権にするなどの内容となっています。

 採決に先立ち、日本共産党の石井郁子議員が質問にたち、刑事罰強化による弊害を指摘。実演家らの権利の引き下げを国が拙速にきめるべきではないと主張し、反対しました。

 石井氏は、「思想または感情を創作的に表現」するという内心にかかわる著作権は、産業財産権と同一に扱うべきではなく、刑事罰という国が直接かかわる問題は慎重であるべきだと主張。伊吹文明文部科学相は「文化的側面はなるほどと思う面はある」「気持ちはわかるが、一般論としては同じに扱う」と述べました。石井氏は、欧米では刑事罰が禁固二―五年になっていることを紹介。改定で世界でも突出したものとなると指摘しました。

 また石井氏は、IPマルチキャスト放送にかかわって実演家らの権利が報酬請求権に変わることは権利引き下げになることを確認。日本芸能実演家団体協議会や日本レコード協会がインターネットなどで利用するさいの権利処理事業を今年十月から開始したことの評価を質問しました。加茂川幸夫文化庁次長は「その意義を高く評価し、期待している」と答弁。石井氏は、今やるべきことは国が権利を引き下げることではなく、こうした自主的な努力を支援すべきだと強調しました。


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