2006年12月2日(土)「しんぶん赤旗」
市区町村22%が独自軽減
障害者の応益負担 地域間で格差
きょうされん調査
障害者自立支援法で導入された福祉サービスや医療費の応益負担について、なんらかの独自軽減策をとる市区町村が全体の22・3%に広がっていることが分かりました。一方、岩手、山口、佐賀各県内では一カ所もないなど地域間格差も浮き彫りになりました。障害者の共同作業所でつくる、きょうされん(西村直理事長)が調査、一日発表したもの。
独自軽減策を設けている市区町村は四百十一カ所で、前回調査(五月末現在)より百六十八カ所(9・4%)増加しました。
施設などのサービス利用料と、精神障害者通院医療の軽減はともに二百十三市区町村が実施。補装具購入費用は百二十七カ所が実施しています。
また、きょうされん加盟のうち五百五十七事業所を対象に労働条件の調査もおこないました。自立支援法の影響で退職した職員が、三月以降、七十二人いました。職員を対象にした調査では、57・5%が「職場を辞めたいと感じたことがある」と答えていました。
同法による報酬単価の切り下げや日額払い化の影響で、人件費の削減をおこなった施設・事業所は、有効回答三百五十六カ所の41%(百四十六カ所)にのぼりました。削減を検討している施設・事業所(六十三カ所)を加えると、六割近い事業所が人件費の見直しを迫られていることが明らかになりました。
記者会見したきょうされんの藤井克徳常務理事は、「政府は自立支援法の目的の一つに地域間格差の解消をあげていたが、格差の広がりは明らかだ。職員の労働条件の問題もある。応益負担の見直しを国会で引き続き議論してほしい」と語りました。