2006年12月2日(土)「しんぶん赤旗」

伊、イラク完全撤兵


 【パリ=浅田信幸】バグダッドからの報道によると、イラクに駐留していたイタリア軍は一日、最後の兵士数十人が撤退を完了し、二日にイタリアに帰国します。北部ナシリアのタリル米軍基地で一日、パリジ国防相とディパオラ参謀総長が参加する撤退式がおこなわれました。

 イタリアは二〇〇三年秋から最大時には三千人の部隊を派遣し、この間、兵士三十一人、民間人八人が犠牲になりました。〇三年十一月には駐屯基地が爆破テロにあい、十九人が死亡する被害を受けています。また昨年三月には、武装勢力に拉致された新聞記者の救出に出向いた情報機関員が、米軍のパトロール隊の銃撃を受けて死亡する事件が起き、調査結果をめぐって米伊両政府が対立する事態もありました。

 イラクへの派兵はベルルスコーニ前右派政権が国民世論の圧倒的な反対にもかかわらず強行したもの。反対世論の高まりで、昨年九月から撤退が始まっていました。

 今年四月の総選挙では「イラク戦争は誤りだ」と訴え、撤退を公約に掲げた中道左派連合が勝利し、現プローディ政権が成立。この時点ではまだ二千六百人が駐留していましたが、新政権のもとで一気に撤退ペースが早まりました。

 当初三十八カ国あった米国主導の「有志連合」派兵国は、現在十七カ国が残るだけとなっています。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp