2006年12月1日(金)「しんぶん赤旗」
「段階的撤退」盛り込む
米研究グループ 最終報告書を採択
【ワシントン=山崎伸治】ベーカー元米国務長官、ハミルトン元下院議員ら超党派十人の有識者で構成する「イラク研究グループ」は二十九日、全会一致で最終報告書を採択し、十二月六日にブッシュ大統領と議会に提出すると発表しました。三十日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は報告書に米軍部隊の「段階的撤退」が盛り込まれていると報じました。
同紙は「グループの議論に詳しい人」や「最終的な文言をめぐる議論に詳しい人」の話として、「撤退」は「来年中に始める」としていますが、日程表は示していないとしています。
ただ、報告書は、現在イラクに派兵されている十五個の戦闘旅団(一旅団三千―五千人)が「帰国するのか、単にイラク国内の基地ないしは近隣諸国の基地に戻るだけなのか」について言及していないといいます。
「議論に関与した一人」は同紙に、「即時撤退を支持する人は気に入らないだろうし、大統領の戦略からも大きくはずれている」と語っています。報告書が撤退と駐留継続の中間の立場をとっていることをうかがわせています。