2006年11月30日(木)「しんぶん赤旗」
イラク 米軍の軍事作戦続く
砲撃で少女5人犠牲
中部ラマディ
宗派間の抗争で暴力とテロの応酬が続くイラクで、この混乱をつくりだした駐留米軍が武装勢力掃討の名で軍事作戦を続けています。そのもとで、イラク民間人の死者が増えています。米軍に対する攻撃も強まっており、イラク西部では米軍が武装勢力を一掃できないとする米軍の機密報告も明らかになっています。
米軍はイラク中部ラマディで二十八日、武装勢力との交戦中に戦車で民家を砲撃、幼児から十代までの少女五人と武装勢力の一人が死亡しました。
米軍は、米兵が道路に仕掛けられた爆弾を処理中に、民家の屋根から武装勢力の二人が発砲したため、戦車で反撃したと声明。戦闘後に民家を捜索し、六人の遺体を発見したとしています。
米紙ニューヨーク・タイムズによると、米軍は二十七日にもバグダッド北東の町フセイニヤで軍事作戦を展開。イラク民間人に発砲し、民間人五人が死亡、八人が負傷しました。
米軍発表によると、二十六日にはバグダッドで米軍が作戦中に攻撃を受け、米兵三人が死亡、二人が負傷しました。
また、カタールの衛星テレビ局アルジャジーラは二十八日、イラクのイスラム武装組織「ムジャヒディン軍」と「ムジャヒディン・シューラ評議会」が、米軍のF16戦闘機を撃墜したとする声明をインターネット上に掲載したと伝えました。
米軍はこれより先、バグダッド近郊で二十七日に戦闘機一機が墜落した事実を認めています。ただ、操縦士の安否や墜落原因に関する情報は得ていないとしていました。