2006年11月29日(水)「しんぶん赤旗」
久間長官の緊急時核通過容認発言
非核三原則なし崩しだ
赤嶺氏批判
日本共産党の赤嶺政賢議員は二十八日の衆院安全保障委員会で、核兵器搭載の米軍艦船の日本領海通過について、「緊急事態」には事前協議がなくても「やむを得ない」とした久間章生防衛庁長官の発言について「非核三原則をなし崩しにするものだ」と批判しました。
赤嶺氏は、歴代政府は緊急事態を含め、いかなる場合でも、核兵器の持ち込みは許さないと説明してきたと指摘し、政府のこの立場に変わりがないかをただしました。
下村博文官房副長官は「非核三原則は堅持する」と表明。事前協議の対象となる核兵器の持ち込みには領海通過も含まれているとし、「平時、緊急事態のいかんを問わない」と答弁しました。
赤嶺氏は、かつて政府は「非核三原則の中で緊急避難の場合は別だなどということになると、非核三原則がなし崩しにされる心配もある」(園田直外相=当時、一九八一年五月二十九日)と述べていたことも挙げ、「今の政府見解と久間長官の答弁は違う」と批判しました。
久間長官は、政府見解は踏襲するとしつつ、「(核兵器搭載の米潜水艦が)死ぬか生きるかとなったときには、事前協議のいとまがない」と述べ、緊急時には事前協議なしの通過はありうるとする考えを改めて示しました。
赤嶺氏は「久間長官と政府見解には、あまりにも開きがある」と重ねて批判。「唯一の被爆国として、核戦争の足場にさせてはならないというのが国民の思いだ。日本が目指すべきは、地球上からの核兵器の廃絶だ」と主張しました。