2006年11月28日(火)「しんぶん赤旗」
産科医療の実態深刻
地域差解消を 共産党衆院近畿ブロック
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「命の重みは同じ。医療に地域格差を持ち込まないで」――二十七日、日本共産党衆院近畿ブロック事務所の呼びかけで、産科医療体制の整備、地域医療の確保を求める政府交渉が国会内でおこなわれました。
近畿地方では、八月に奈良県で容体が急変した産婦が十九病院から搬送を断られ、死亡する事件が起きたばかりです。参加者は、奈良県にとどまらない地域医療の深刻な実態を切々と訴え、政府に対策を求めました。
奈良県の地方議員は、集中治療の必要な妊婦の約四割が県外に搬送されている実態を紹介。奈良県は総合周産期母子医療センターがない八県のうちの一つであるにもかかわらず、産婦死亡事件後も国が本腰を入れて体制づくりをしようとしていない、と批判しました。
兵庫県但馬地域の地方議員は、現在九カ所ある公立病院を「集約化」し、「五病院の病床削減・三カ所の診療所化」する計画に住民の不安が高まっていると発言。住民の一割にあたる約一万七千人分の「公立病院に医師確保を」の署名を提出し、集約化をしないよう求めました。
京都、滋賀、和歌山からは、国立病院機構の医師確保に政府が責任を持つことを要求する意見が出されたほか、大阪からは小児救急医療体制の整備を求める声が上がりました。
交渉には、石井郁子、穀田恵二、吉井英勝の各衆院議員、井上哲士参院議員、山下よしき参院比例代表予定候補をはじめ参院選挙区予定候補、議員ら三十人以上が参加しました。