2006年11月25日(土)「しんぶん赤旗」
エクアドル大統領選 あす決選投票
左右両派の支持拮抗
【サンティアゴ(チリ)=松島良尚】南米エクアドルの大統領選挙決選投票が二十六日、実施されます。右派、左派両候補の支持が拮抗(きっこう)する中、選挙運動は二十四日に終了しました。
直近の各種世論調査によれば、第一回投票で首位に立った右派・制度的革新国民行動党の大実業家、アルバロ・ノボア氏(56)と左派・国民同盟のラファエル・コレア元経済相(43)がそれぞれ3―4ポイント差で有利という正反対の結果が出ています。投票態度未決定の有権者は20%前後です。
第一回投票直後はノボア氏が10―15ポイントの差をつけていましたが、コレア氏が急速に追い上げました。ノボア氏の企業による貧困地域への寄付行為や同氏の討論会欠席、さらに国民の批判が強い伝統的政党の支持を得ていることなどに反発が高まったためとみられています。
ノボア氏は、「実業家としての経験を生かす」として優遇税制による外国投資の呼び込みや、米国との自由貿易協定の推進、所得税の引き下げなどを掲げ、コレア氏に対する反共攻撃を展開しています。
コレア氏は新自由主義に反対し、石油に関連する多国籍企業との契約の見直しや投機資本の規制、米軍基地の撤去などを公約。「支配層は自分たちの特権を脅かすものをすべて共産主義者と呼ぶ」とノボア氏を批判しています。