2006年11月25日(土)「しんぶん赤旗」
教職員 過労死ライン
7・8月 超過勤務80時間
文科省調査
文部科学省は二十四日、公立小中学校の教職員を対象に全国で実施している勤務実態調査の暫定集計(七・八月分)を公表しました。超過勤務は約八十時間(残業=約五十二時間、持ち帰り仕事=約二十八時間)で、過労死ラインに相当することがわかりました。
それによると、七月の勤務時間は一日十時間五十六分で、残業時間は二時間八分、持ち帰り仕事は三十五分。夏休み期間中の八月の平日平均勤務時間数は一日八時間十七分、残業時間は二十二分、持ち帰り仕事は十五分でした。
土・日曜の休日勤務は七月が一時間十二分、持ち帰り仕事二時間一分。八月は二十七分、持ち帰り仕事四十一分でした。
七月は学期末で仕事が集中したとはいえ、厚生労働省が示している過労死認定基準(月八十時間)に相当する時間外業務をしていることになり、異常な長時間勤務が常態化しています。
現在、教職員には職務の特殊性があるとして、包括的に給料の4%が残業手当に代わる調整額として支給されています。この根拠になったのは四十年前の勤務実態調査で、八月を除く十一カ月の平均超過勤務時間が月八時間程度であったためです。調査結果は、その後の教職員をとりまく環境がより悪化していることを示しています。
全教(全日本教職員組合)は「超過勤務解消に向けた実効ある対策を講じることが必要だ。定員増と賃金水準を確保させることを基本に、勤務実態に見合う総人件費の原資を確保することが重要になっている」として、検討されている人件費削減や成果主義導入の動きを批判しています。