2006年11月25日(土)「しんぶん赤旗」
イラク死者202人に
連続テロ首都厳戒
【カイロ=松本眞志】イラクの首都バグダッドのサドルシティーとその周辺で二十三日、六カ所の爆弾テロと迫撃砲による砲撃で二百二人が死亡し、二百五十人が負傷する大惨事が起きました。一日のテロ被害としては二〇〇三年の米軍のイラク侵攻以降、最悪の事件で、バグダッド空港が閉鎖されるなど厳戒体制が敷かれています。
サドルシティーはシーア派強硬派のムクタダ・サドル師の影響が強い地域で、これまでにもたびたびスンニ派武装勢力の攻撃対象となり、数千人の市民が殺害されたといわれています。
国連イラク支援派遣団(UNAMI)は二十一日、十月にイラク全体で三千七百九人が死亡したと報告し、宗派間抗争が主な要因だと指摘。イラク政府は事態の深刻な影響を踏まえ、夜間外出禁止令を発令し、バグダッド空港の閉鎖を指示しました。
マリキ首相は犯人逮捕に全力をあげると宣言し、国民に自制を呼びかけました。シーア派、スンニ派、クルド人の政治家らもテロを批判し、共同で沈静化を訴えるアピールを公表しました。